ご朱印さんぽ⑰ 神保町

  • 2019/2/8

 

ご朱印散歩、今回は神保町です。神保町と言えば図書の街、新刊書店や古書店が立ち並びます。路地へ入れば昭和そのままの喫茶店や飲食店も多く、サブカルチャーな香りも色濃い楽しい街です。しかし時代をもう少し、明治頃まで遡ってみると、神保町は1万人もの中国人が住んだチャイナタウンでした。今回はそんな神保町の街の記憶を探して歩く散歩です。歩き出しは水道橋駅、ご朱印のもらえる神社が駅前にあるからです。


水道橋駅から徒歩2分の場所にあるのが「三崎稲荷神社」。

この三崎稲荷、建立は旧いのですがもともとは駿河台の方にあって、明治38年に現在の場所へ遷座された神社です。かつては参勤交代の際に大名が必ず立ち寄り心身を清める社で、「清めの稲荷」と呼ばれていたそうです。こちらの手水所は、吐水口が竜のような形をした岩でできていて、なかなか風情があります。お参りを終え、ご朱印をお願いしようと社務所を覗いて…微笑んでしまいました。

ニャンと可愛い受付が二匹。社務所の方は窓を開けて、ご朱印帳を受け取ると急いで閉めました。社務所の方が文字を書くのを猫がじーっと見守っているので、同行者が「…ひょっとして、ここのご朱印は肉球で押すのでは」と言い出しました。肉球ご朱印なんてものがあるなら欲しいもんだと思いましたが、残念ながら(?)押されていたのは、きちんとしたご朱印でした。今日のご朱印、ポン!

これはこれは、躍動感のある達筆です~!

[三崎稲荷神社]
千代田区三崎町2-9-12

素敵なご朱印をいただけたので、ホクホクと歩き出しました。水道橋~神保町は崖の街。増水した神田川が駿河台を削って、街に大きな高低差を作りました。その高低差のため、この街には「神社仏閣のない女坂・男坂」があります。普通「女坂・男坂」といえば神社仏閣への参道ですが、ここの「女坂・男坂」は、崖の上下をつなぐための階段。関東大震災後に、避難用として整備されたそうです。

「女坂」でもこんな感じ。一気に登らず踊り場があるから女坂なんでしょうけど、。結構急で、ひぃひぃ上ります。

男坂は真っすぐ一本。階段の上下で標高が7メートル違いました。男坂を降りたところは、明治大学の校舎と校舎の間。坂の上を大学の渡り廊下が横切っています。崖下へ降りて少し北へ戻ったところにカトリック神田教会があります。

ロンバルディアベルトと呼ばれるロマネスク様式の装飾と、ルネサンス様式が融合した美しい教会。ステンドグラスの美しさが有名なので、一度ミサに来てみたい教会です。

[カトリック神田教会]
千代田区西神田1-1-12
03-3291-0861
公開月曜を除く10:00~16:00(結婚式・葬儀他式がある時は入れません)

カトリック神田教会を過ぎて白山通りを渡ったあたりが、かつて中国の人が数多く居住したエリア。明治維新によってアジアで最も早く近代国家になった日本。その日本に学ぼうと、明治後期には清国から多くの留学生が来たそうです。インバウンドの波は、明治の時代にもあったのですね。

戦前までは「日華会館」と呼ばれ、中国からの留学生の支援や寄宿施設だった建物です。大正15年竣工なので、当時流行っていたセセッション(ウィーン分離派)っぽい外観。明治末期には、孫文、魯迅、蒋介石、周恩来各氏がこの辺で建国の志に燃えていたのだとか。あまりにも歴史的ビッグネームが多くて、思わずひれふしてしまいそうです。

今は「東方学会」という一般財団法人で、東洋・アジアの学術支援などをしているそうです。面白そうな講座やセミナーの案内チラシが置かれていました。この他にも、神保町にはチャイナタウンだった痕跡があちこちに残ります。

[一般社團法人 東方學會]
東京都千代田区西神田2-4-1


周恩来が学んだ東亜高等予備校の跡です。

「魯迅の有名な小説に出て来る料理店を模した」という中華料理店(本物の店は中国福建省紹興市にあるそうです)。不勉強でどの作品のことか分からないのですが、店頭に上海蟹の垂れ幕があるのを見て、車夫が一日働いた稼ぎで蟹喰っちゃう話があったな~と思い出しました。でも、それが魯迅の話だったかは憶えていません、ごめんなさい。

[咸亨酒店(かんきょうしゅてん)]
東京都千代田区神田神保町2-2
03-3233-0333
定休日:年末年始

揚子江菜館は、かつて中国人留学生が通ったといわれる店。冷やし中華の元祖としても知られた店です。ここまで来たらもう、何があっても中華を食べなきゃ~!です。

冷やし中華には寒かったので、同行者は名物の五目焼きそば(写真左¥1400)、私は海鮮麻辣湯麵(写真右¥1200:焼売2個付き)を頼みました。麻辣湯麵はもの凄い赤ですが、見た目ほど辛くありません(辛好きの私にはマイルドなくらい)。それより驚いたのが、椎茸!アワビかと思うほど肉厚で、油通ししているせいかとろけるような舌ざわり。驚くほど美味しかったです。五目焼きそばも具沢山で美味しいとのこと。実は私、年末に一橋ホールへ落語を聞きに来た際もここで食事をしたのですが、炒飯や春巻きもちゃんと美味しい。内装とともに昭和っぽいというか「正しく美味しいご馳走中華」の味がして、大事にしたいお店です。

[揚子江菜館]
東京都千代田区神田神保町1-11-3
03-3291-0218
定休日:年末年始

お腹がいっぱいになったので、すずらん通りをウロウロ。この辺は昭和初期の長屋風ビルが残っています。写真のお蕎麦屋さんとその先2軒が1つの建物なのが分かるでしょうか。すずらん通りを奥へ入ると、喫茶店やバー落語カフェなどがある素敵な路地があります。


有名な「さぼうる」はお休み。年末に来た時に入ったのでとりあえず今日は通り過ぎるだけ。この近くにいつも行列している石窯焼きパンケーキの「タムタム」がありますが、甘いもの&行列が苦手なのでスルー。紹介できずごめんなさい。

神保町界隈の面白さはこの路地にあります。写真の「ラドリオ」も昭和レトロで良い雰囲気の喫茶店。ここも前回入ったので通り過ぎ、「三省堂」で本を買って帰りました。

本日歩いたルートはこちら。

※道程だけで測ると3キロ弱ですが、行ったり来たり(特に神保町駅前)しちゃう道なので、トータルの距離数は倍。この日トータルの移動距離は10キロを超えました。

まあ日頃運動不足だから、少しは歩かないとね。

[奥岡伸子]

■よろしかったら、ご朱印さんぽバックナンバーもどうぞ

「北品川」 ②「麻布十番」 ③「夏詣」「佃島」「築地」
「明治神宮源流下り」 ⑦「名古屋メシ」「宮島」  ⑨「呉・道後」
「出雲」 ⑪ 「松江」 ⑫ 「博多泥酔編」 ⑬「萩」 ⑭ 「岡山」 ⑮「羽田
「黒船」

 

6 Comments

  1. ちい

    楽しそうー、美味しそう!

    私は、洋館とか文明開化の感じが好きで、神田教会と日華会館たまらないです。
    ウィーン大好きなので、特に。
    現在も働けるなんていいなー、窓とか手すりとか装飾見てうっとりしそう。

    魯迅とか孫文とか本当にビッグネームばかりですね。
    旅行に行きたくなります。

    1. nobuko

      ちいさん、お帰りなさ~い♪ 来てくれてありがとう。
      洋館&文明開化の感じっていいですよね。
      北海道も素敵な洋館がたくさんありますね。
      また行ってみたいです。今日の北海道は寒そうですが(^^)
      お風邪ひかないようご自愛ください。

  2. YUKO

    「三崎稲荷神社」の猫ちゃん! 神社なのに、洋風のハイカラ猫さんですね。
    こうやってみると、神保町界隈はみどころ豊富なんですね。
    揚子江菜館はおいしいですね。冷やし中華の取材、したことあります。

    1. nobuko

      YUKOさん、いらっしゃいませ。YUKOさんなら揚子江菜館絶対取材してますよね。私はいつも他のものを頼んじゃって、元祖冷やし中華食べてないんです~。
      三崎稲荷の猫ちゃん達、私も「日本猫じゃないんだ…」と思いました。ご朱印書いているのをじっと見ているのが可愛かったです。

    1. nobuko

      田村さんなら東方会館絶対行ってると思いましたが、二胡教室に通っていたとは。さすがだわ。あー私も中見たい。何か講座聞きに行くかな。

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