関西風おでんとマデイラワインに酔う“大塚”の夜①

日頃、レストランやバー、飲食店の取材をよくしているのですが、どうしても銀座、麻布、六本木、青山、恵比寿あたりが多くなってしまいます。

 

プライベートでは、ちょっと違うエリアに出かけたい、と思うこの頃。

未知なる夜の世界(?)を探検する気分で、同年代の女友達と呑み歩き、おぼろげな記憶(なんせ、いい心持ちで酔っ払っていますので)をもとに、お店をご紹介します。

 

初回は、大塚の夜。

 

JR山手線で、池袋の隣の駅。

都営荒川線の駅がある北口に降り立ちます。

 

関西風のおでんがあるらしいよ、というネット情報で友人が予約を入れてくれたのが、北口から徒歩3分の場所にあるという「亀甲」(キッコウではなく「かめや」と読みますよ)というお店。

 

地図を頼りに歩き出すも、メインの通りから1本入るだけで、ソープランドやラブホの看板が目に入ります。ちょっと不安になって、メインの通りにまた戻り、近くのドラッグストアに飛び込んで、「亀甲」さんの場所を尋ねました。

「その先を左に曲がったらあります。すぐ、そこですよ」と薬屋のご主人。

 

言われたとうりに行くと、ありました!「亀甲」

さっき、ラブホの看板をみて引き返した場所の、すぐ先だったようです。

 

 

「小さな恋の物語」というラブホの前に、赤ちょうちんが・・・。

「小さな恋の物語」というラブホの前に、赤ちょうちんが・・・。

 

「小さな恋の物語」というラブホの前。紫や緑のライトが、怪しい〜。

そうそう、「小さな恋・・・」といえば、C.J.WOMAN年代であれば、美少年マーク・レスターを思い出しますね。

 

で、「亀甲」さん。中に入るといたって普通の和やかな居酒屋さんの雰囲気。

年配のご主人がカウンターのなかに、おかみさんが接客をなさっています。

 

生ビールでひと心地ついていると、温かなおとうふがお通しで出てきました。

鰹節のいい香りがふわっと鼻腔をくすぐります。

「もしかして、このお店、あたりだったかも」と、予感めいたものが頭のなかをよぎりました。

 

“とうとうみ”と“関アジ”にやられちゃいます!

 

黒板のメニューを見ながら、

「まずは、お刺身を盛り合わせを。あの〜、たくさんは食べられないので、少しずつでお願いしますね」とおかみさんにオーダー。

盛り合わせって、どんな感じで出てくるか、初めてのお店ではわかりませんよね。厚切りの刺身がどっさり出てくると、あと、なんにも食べられなくなってしまうので、それを避けるため、こんな風にオーダーしてみます。

「それから、千福と加茂鶴をぬる燗で」

どちらも広島のお酒です。

 

ひとしきり待っていると、お刺身の盛り合わせがやってきました。

 

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わぁ〜、女性二人で食べるにはちょうどいい感じの量です。

切り方も、分厚くなくて、だからといって薄すぎもせず、こういうの、好みです。

 

「この手前の白いのなんですか??」とおかみさんに聞くと

「とうとうみですよ」と答えてくれました。

「とうとうみ・・・???」

わたしが首をかしげていると、友人が

「ふぐの皮と身の間の部分のことよ」と教えてくれます。

「戦国時代、三河(みかわ)の国の隣にあった、 遠江(とうとうみ)と言う国になぞらえ、身と皮(三河)の隣にある部位を、とうとうみ(遠江)という」のだそうです。

わたしの飲み友達は、博学でありますよ〜。

 

そんな話をしていると、カウンターの内側からご主人が

「今日のは天然のトラフグです」と説明。

「oh〜」と感動の声をもらす、わたしたち。

トラフグとか天然とかいう言葉には、無条件にありがたがってしまいます。

 

その、とうとうみ。口に含むと、跳ね返すような弾力があり、実に上品な味わいです。

 

お刺身の盛り合わせは、わさびの位置から時計まわりに、

とうとうみ、カンパチ、マグロ(赤み、中とろ)、関アジ、タコ。

 

あら、まぁ〜、ここで関アジに出会えるとは!!

うれしい驚きです。身はプリプリ、シコシコ。当然のことながら、普段スーパーで買っているとアジの刺身とはまったくの別物です。

 

 

澄んだ煮汁がたまりません。関西風おでん

 

お刺身を平らげたところで、次におでんをオーダー。

実は、この店にくる前、ネットで情報をみたところ、おでんのメニューに「ちくわぶ」があったのをみて、「本当に関西おでんなの?」と懐疑的に思っていました。

だって、関西おでんにちくわぶなんて、絶対入ってませんもの。

本当に関西風かどうか、確かめてやる! という気持ちでオーダーしたおでん。

 

疑ってごめんなさい(ペコリ)、ご主人。

 

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だいこん、スジ、がんも、はんぺん、しらたき。

薄味で、上品な煮汁がなんともいえません。

いえいえ、関西にも、これほど澄んだ汁のおでんはないかもしれません。

しかも、おちょぼ口のわたしたち(?)のために、食べやすく包丁を入れてくれています。優しさを感じますね。

煮汁も全部、残さずいただきました!!

 

お酒のほうは、「司牡丹 純米 船中八策」に変わっていきます。

おかみさんが大ぶりのぐい飲みに、表面張力めいっぱいまで、注いでくれます。

名人芸ですね。

 

司牡丹 純米 船中八策。 大ぶりのぐい飲みに、おかみさんが表面張力ギリギリまで注いでくれます。

司牡丹 純米 船中八策。 

 

いやはや、スジがあんまりおいしくて、お代わりしちゃいました。

 

さらにだし巻き卵と丸干しをオーダー。

 

どれもハズレがありません。しかも、リーズナブル。

 

 

だしの味が効いています。

ぷはんぷはんのだし巻き。好みの味です。

 

 

1皿に4尾入っていました。写真を撮影するつもりがなかったのですが、あんまりおいしかったので、やっぱり写真をとることに。

1皿に4尾入っていました。写真を撮影するつもりがなかったのですが、あんまりおいしかったので、やっぱり写真をとっとこう、と思い2尾でパチリ。

 

それにしても、あのおでんの煮汁の透明感は不思議。

いろんな具材を煮ると、普通は汁はどうしても濁ってしまうはず。

お勘定をして帰る間際、ご主人にその疑問をぶつけてみました。

答えは「ずっと、湯煎で煮ているから」とのこと。

 

見るからに優しそうなご主人は、広島出身だそうです。

見るからに優しそうなご主人は、広島出身だそうです。

 

要するに、沸騰させずに、じっくり、ゆっくり煮ていると、汁はにごらないということなのでしょか。

このおでんの煮汁をご飯にかけて食べるお茶漬け、「ぶっかけ」というメニューもあるそうです。

 

ラブホのネオンの下の赤提灯「亀甲」さんは、めちゃくちゃ上質かつ良心的価格のお店でした。

 

さてさて、わたしたちは亀甲から、すぐ近くにあるバーへ流れて、大塚の夜を満喫するのですが、続きはまた後ほど。

 

TEXT by YUKO DOI

 

 

6 Comments

  1. nobuko

    おおおおおおおお! こういう店大好き好きです!

    ぐあー! 行きた~~い!
    こういう店を貯めておくって大事です。

    おでんを湯煎で作るなんて、なんたるこだわり。
    なのに1品100円から?! これは素晴らしいです。

    自分で呑みに行くと、つい写真撮るの忘れちゃう(;;)

  2. yuko

    るう子さん

    お鍋の写真も見たかった!(企業秘密か)

    お鍋のふたをとってもらって撮影しようかとも思ったのですが、他にお客さんもいたのでお願いしそびれてしまいました。

    おでんは具材にも出しにも地方色が出ます。
    東京風の醤油色が好きな人も多いと思いますが、私はだんぜん澄んだ出し派ですね。

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