蒲鉾放浪記⑨ 番外編 すり身に関する考察

すっかりご無沙汰してしまいました。今回は蒲鉾放浪記の番外編として、かまぼこの原料、すり身について考えてみた。

かれこれ10年ほど前のことになるが、スペインにいったとき、おみやげにアンギラスのオイル漬けの缶詰を買ったことがある。

アンギラスはうなぎの稚魚。当時でも高級品だったが、地元のスーパーマーケットで、けっこうお手頃価格で買えたので、いくつか購入した。

日本に持ち帰って、自宅でも食べたし、おみやげとして友人にもプレゼントした。その友人が後日、「缶詰の裏に『SURIMI』って書いてあったよ!」って教えてくれた。

なんと、私がうなぎの稚魚だと、なんの疑いも持たず食べていたのは、すり身を細長く絞り出して、黒い目までつけて、ガーリックオイルのなかに浸したものだったのだ。言われてみれば、うなぎの稚魚独特の小骨っぽさがなくて、やわらかかったような気がするけど、食べているときはまったく頓着していなかった。

 

これは最近、日本でネットで取り寄せたものですが、すり身でアンギラス風に加工したもので。箱に大きく「SURIMI」と書いてありますが、その昔、地元のスーパーで買ったものは、缶詰の裏側に小さく「surimi」と書かれているだけでした。

これは最近、ネットで取り寄せたもの。箱に大きく「SURIMI」と書いてあるが、その昔、スペイン、グラナダの  地元のスーパーで買ったものは、缶詰の裏側の原材料を書く欄に小さく「surimi」と書かれているだけだった。

 

 

 

缶詰をあけるとこんな感じ。

缶詰をあけるとこんな感じ。稚魚の背中はうっすらとしたグレー、腹部分は白とツートンカラーに加工されている。よく見ると、小さな目までついている。

素焼きの器に入れると、本物のアンギラスそっくりでしょ。

素焼きの器に入れると、本物のアンギラスそっくりでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば、すり身はカニの足やホタテの貝柱など、さまざまなおいしいものに擬態している。うなぎの稚魚に擬態しても、なんら不思議ではない。

そして外国に行っても、すり身はSURIMI。

変幻自在な上に、国際派の食材なのだ。

 

こちらはドイツの港町で見つけたもの。パンの間に挟んであるのはエビそっくりのかまぼこ。カニかまぼこの親戚、えびかまぼこです。

こちらはドイツの港町、バルデミュンデで見つけたもの。パンの間に挟んであるのはロブスターのむき身そっくりの「ロブかま・・・」。注文するとサワークリームをたっぷりかけてくれる。

 

かまぼこやちくわ、さつまあげなど、練り製品に欠かせないすり身。その昔は近海でとれたグチやエソ、ハモ、タチウオなどを原料にしていたようだが、現在は冷凍すり身を使用するメーカーが多い。

その冷凍すり身は、昭和34年、北海道立水産試験場の研究者グループが、北洋に眠っていた豊富な水産資源、スケトウダラを冷凍すり身にする技術を開発したのが始まりだ。

昭和40年代の末には、この冷凍すり身を使用した「かに風味かまぼこ」が登場。すり身を繊維状にした「かにかま」は、リーズナブルにカニを食べている気分が味わえると大ヒット。これはインスタントラーメン、レトルトカレーと並び、戦後食品の三代発明と言われているとか。

輸出していたアメリカでも生産されるようになり、かにかまは「SURIMI」という名で、欧米で広く食べられるようになった。サンドイッチの具材などに使われることが多いようだ。

 

 

2015-09-02 14.20.02

 

上の写真は、近所のスーパーで購入したすり身製品。

手前は、その名も「ほぼホタテ」(かねてつ)。パッケージには、わざわざ「※ホタテではありません」と書いてあるほど、ホタテの貝柱そっくり。

右上は「海からサラダフレーク」(ニッスイ)。ずわいがに3%入りで、着色にはトマトリコピンを使用していると書いてある。

 

姿カタチも、原料や加工法も進化するすり身。

蒲鉾愛好家としては、こちらからも目がはなせない。

 

(YUKO DOI)

7 Comments

  1. nobuko

    おおおお! SURIMI!

    ちょうど昨夜「ほぼホタテ」を使ったあえ小鉢を作ってました。

    せっかくほたての形をしているから、崩さず1つだけさしみのようにして食べてみたんですが、高いカニかまがまったくカニのようにほぐれるのと違い「ほぼホタテ」は年輪状にほどけるところが今後の課題ですよねえ・・(ってアタシはメーカーのモンか?)

    しかし、アンギラスかままであるとは、かまぼこの世界は無限ですね。

  2. yuko

    NOBUKOさん。
    そう、ほぼホタテは、巻物なんですね。私も、煮物に入れてみてわかったんですが、外周からほどけていく感じでした。ほぼホタテも裂けるチーズのように、縦に裂けたほうが本物っぽいですね。
    スリミちゃんは、かにかま然り、アンギラス然り、高級魚介の代用品として、作られることが多いようですね。

  3. りーたん

    そうか~
    高級魚介に手が届かないときは、surimiの代用品を利用すればいいんですね~
    かにかまは日常使いしてたけど、その他の魚介にはそういう発想がなかったなぁ。参考になりました♪

  4. Yoko

    りーたんさん。
    「ほぼホタテ」の使い方・・・。
    私はそのまま、わさびつけて食べたのと、里芋の煮物に加えてみた。
    パッケージには、バターしょうゆ焼きがおすすめって書いてあったよ。

    1. りーたん

      Yokoさん、里芋の煮物! いいですね~
      うちは、そのままかサラダに混ぜるくらいしか思い浮かばなくて。
      ありがとう♡

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