商店街を探索したい

50代も半ばを迎え、この頃、商店街のある街で暮らせればいいな、と思うようになった。
ひょいと買い物かごを持って、ツッカケをはいて、コロッケや煮豆などの惣菜を買って、なにげに一言、二言、お店の人とコトバを交わす。
そんな暮らしのできる街に憧れている。
このコトバを交わすってとこがいいんだなぁ~。
だって大型スーパーやネットショップは便利だけど、買い物するとき、誰ともしゃべらないもん。
にっこり笑ってもらったり、おまけしてもらったりってこともない。
だから今、よけいに商店街が魅力的に思えるのかも。
進化する商店街、よみがえる商店街、ちょっと寂れた商店街・・・。
いろんな商店街を探索したい!

商店街の王道といえば「〇〇銀座」。
全国に300カ所あるといわれる「○○銀座」のなかで、その第一号といわれる東京都品川区の戸越銀座商店街を探索する。
東急池上線、戸越銀座駅で下車。
歩きだすと、頭上のスピーカーから女性のアナウンスが流れてきた。独特の節まわしの宣伝口上。
「肉の雲野、肉の雲野。おいしいお肉やさんはどこだっけ? そう、戸越銀座の肉の雲野へレッツ ゴー!」
オーライ。こっちも“レッツ ゴー!”。

と、すぐ左側に本日の特売品と書いたトロ箱が並ぶ「魚慶」が目に入る。
「カットミスあじ開き」は、大ぶりが5枚ほど入って250円。
店内の鮮魚は、大衆魚からレアな高級魚まで、種類豊富で、みな、まるごとの姿。
〝切り身”を見慣れた目にはなんだかまぶしい。

魚慶(うおけい) 良いものをより安くをモットーに、昭和8年より営業 する鮮魚店。毎週土曜日は大特売日として「お刺身バ イキング」を開催。営業/9:30~19:30、日・祝休

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし商店街の先はまだまだ長い。ここでの買物はグッと我慢して先へ進む。店先でほうじ茶を炒る「お茶と海苔の一路園」の前では、大きく息を吸い込み香りだけ楽しませてもらい、国道一号線(第二京阪)を渡って、夕空に映える「とごしぎんざ」のゲートをくぐる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エビチリ、春巻、焼売……、ズラリと中華の総菜が並ぶ「百番本店」では、奥からご主人が出てこられたので、戸越銀座の名前の由来を聞いてみた。

そもそも戸越という地名は「江戸を越えた向こう」という意味の「江戸越え」に由来する。関東大震災以降、家を失った人たちがまだ竹藪の多かった戸越に新天地を求め移り住み、人口の増加とともに商店街になった。一方、関東大震災で壊滅的な被害を受けた「銀座」では道路を新たに舗装することになり、路面にあったレンガが不要になった。

水はけが悪く、道がぬかるむ戸越では、それを譲り受け、大八車で運んで敷きつめた。昭和2年、商店街発足の折り、レンガと一緒に「銀座」の名も譲り受けたというわけだ。
「駅の近くに、当時のレンガが飾ってあるよ」と親切にご主人。

中華料理 百番 ☎ 03-3781-3791 リーズナブルに本格中華料理が味わえるレストラン。 メニューは200種類あり、その一部を店頭で販売。 営業/月11:30~16:00 17:00~22:30(L.O.) 土11:30~22:30(L.O.)、日11:30~22:00(L.O.)

戸越と銀座ゆかりの碑 「戸越銀座」の名前の由来のとなったレンガが展示され ている。関東大震災の後、銀座より譲り受けて戸越の 大通りに敷いたもの。東急池上線・戸越銀座駅から西 に歩いて約20mの左側。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょい先の「魚和」では、お母さんが店先でマグロのカマや尾の身を焼いて並べている。ここで40年だとか。

「マグロ一筋なんですね」
「そう、ダンナは一筋じゃないけど、マグロは一筋よ。アハハ」と陽気なお母さん、笑顔もトークもはじけてる。

魚和(うおかず) ☎ 03-3781-7539 マグロと焼魚の店。店の奥のガラスケースでは刺身を、 店頭ではマグロの頭焼き980円、カマ500円など焼 きたてを販売。営業/11:30~20:00、日休

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

醤油の焼ける香りに引き寄せられてだんご屋さんにふらふら。湯気のたつおでんの鍋に誘われて蒲鉾店にもふらふら。30m前後の間に八百屋が3軒、から揚げ、中華の店多数。銭湯、財布に優しい安売りショップも連なり、この街は何と便利で誘惑の多いことか。

とごしぎんざのだんご屋 ☎ 03-3786-1086 種類豊富なだんごにいなり寿司、おにぎりなどを販売。 焼きだんご60円。だんごを持ったギンちゃん(戸越 銀座のキャラクター)。営業/7:00~19:00、火休

まだまだ帰れそうにないので、今回の報告はここらへんで終了する。
つづく……(土井 ゆう子)

 


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