今行きたい伊豆半島、きらめく春の海と雛をめでる

 外にも出よ触るるばかりに春の月 中村汀女

寒さがゆるんで来ると、閉じこもっていないで出かけたい気分になりますね。

大がかりな旅行じゃなくても、春ならではの景色や旬の美味を楽しみたい。伊豆半島は、そんな春の小旅行にぴったりの場所。今回は、東伊豆稲取の「雛のつるし飾りまつり」をご紹介します。

稲取温泉は、東伊豆の中でも南側に位置する風光明媚な海辺の街。稲取港は、名物の金目鯛をはじめ多彩な海の幸が揚がる港として、日本有数の漁獲高を誇ります。

この稲取温泉に、江戸時代から伝わるのが「つるし雛」。その昔、お雛様を買うことが出来るのは、裕福な家に限られていました。それでも稲取の人々は端切れで人形や飾りを作り、可愛いわが子や孫が健やかに育つことを祈ったのだとか。愛情いっぱいのつるし飾りは見ていて飽きない愛らしさです。

 「つるし雛」の風習は、一時期すたれかけたそうですが、平成5~6年ごろから地元婦人会のクラブ活動として復活。今では稲取温泉の3月の一大風物詩になっています。

「雛のつるし飾りまつり」、平成29年度は1月20日~3月31日まで開催されます。中でも2月23~3月5日は、素戔嗚神社(すさのおじんじゃ)の雛壇飾りが見られる絶好のチャンス。

素戔嗚神社の雛壇飾りというのが、こちら。

一の鳥居から本殿へ上る参道にお雛様が置かれ、両側につるし雛が立ち並びます。階段いっぱいのお雛様は、街のボランティアの方々が、毎日片づけては展示するのだとか。雨天中止とのことですが、にわか雨が降ったりしたら、さぞ大変だろうとご苦労がしのばれます。

素戔嗚神社の本殿から見下ろす景色はこんな感じ。

「雛のつるし飾りまつり」スタッフの方々は、階段下から記念写真を撮る観光客のためにシャッターを切ってくれます。シャッター係がいるおかげで、撮影がスムーズ。下からじっくり雛壇飾りを撮りたい場合は、人の少ない朝一番に行くのがおすすめです。

まつり期間中は、「文化公園」や「雛の家  むかい庵」などの展示会場でつるし雛の大量展示が見られる他、街角の神社や商店、民家でもお雛様の展示を見ることができます。

こんなに頑張ってお雛様を飾ってもらっては、少しは街に貢献しなくては!稲取自慢の金目鯛をお昼にいただきに漁港の方へ行ってみました。この間、移動はすべて徒歩。稲取温泉は小さな街なので、素戔嗚神社から港まで歩いても1kmないくらい。散歩気分で街中歩いて見て回れます。まつり期間は車で訪れる人も多くいますが、それほど駐車場が多くないので、パーキングに入れて散策するのがおすすめ。

3月いっぱいの土曜と日曜日は、東伊豆町の観光協会がつるし雛各会場を巡回する無料バスを特別運行しています。1周30分間隔でメイン会場を巡回しているので、歩くのが苦手な方はこちらを利用しましょう。

稲取漁港から伊豆の山々を見ると「?!」と驚く光景が。対岸の山に素戔嗚神社の雛段飾りを見ることができま神社のすぐ前を伊豆急行が走っているので、「踊り子号」からも一瞬だけ段飾り見ることができます。3月5日までの期間、東伊豆か南伊豆から「踊り子号」東京行きに乗り左側の座席になったら、伊豆稲取駅を発車してすぐの山側に注目してみると、参道にならぶ人々と雛段飾りが見られます。

街中にお魚料理を出す店が何軒かありますが、今回は漁港のまん前にある「徳造丸」さんへ。窓から港が見渡せる座敷で、「金目鯛の食べ比べ定食』¥2800をいただきます。金目鯛をお刺身、煮つけ、味噌漬け焼き、あら汁とバリエーションを変えていただけます。クチナシで色をつけたご飯は、東伊豆の郷土飯だそう。

金目鯛の煮つけはこっくりと甘じょっぱく、「これは…ご飯じゃないものが進むねえ…」。

クチナシご飯で食べるもよし、昼からお酒を楽しむのも休日ならではの楽しみです。

いよいよ春。海は銀波にきらめいて、「ひねもすのたりのたりかな」と、つぶやいてしまう季節です。

あなたも春の小旅行へ、出掛けてみませんか?

(記事:奥岡伸子)


8 Comments

  1. yuko

    わあ〜、参道のお雛様がすごい。
    稲取は伊豆の家の近くなので、よく行くところなんですけど、こんなの初めてみた。
    一見の価値ありですね。

    それにしても、bobukoさんの写真レイアウトは読みやすいな〜。今度、写真レイアウト教室を開いてください。
    わたしはいつも単調になってしまうので。

  2. りーたん

    わ~~
    ひな祭りの当日に、こんなに華やかなお雛様の写真を見ることができて、
    目の保養になりました~♡♡

    階段のお雛様は圧巻ですね。初めて知りました。

    飾るのも片付けも時間かかるんだろうなぁ~

  3. nobuko

    yukoさん、見てくれてありがとうございます!
    yukoさんのお家が近いなあと思いつつ、最後の河津桜とつるし雛を見てまいりました。
    初めてでしたか!近年力を入れているようです。
    レイアウトが上手いなんてそんな…照れ照れ。ありがとうございます。

  4. nobuko

    りーたんさん、いらっしゃいませ~!cjwomanも女子、健やかなれと祈る儀式ですから、お雛様を楽しまなきゃね。
    >飾るのも片付けも時間かかるんだろうなぁ~
    下の方の写真にある「三島神社」が飾りの出し入れに1時間かかると言っていました。素戔嗚神社は何人で飾るのかなあ。

  5. ひれり

    お雛様、美しいですねぇ、惚れ惚れします。
    フムフム、「つるし雛」の起源は庶民の文化なのですね。私は真逆のイメージでした。だって冒頭のお写真もそうですが、豪華絢爛なのですもの。庶民には手の出ないモノなのだと思ってました。いいな、買えないことを嘆くのではなく、「それじゃ、こんなのどう?」って発想が逞しくて、素敵。高い天井から降るような飾りモノ、なんて華やかなのでしょう。神社の「ひな壇」に鎮座するお雛ちゃんたち、すんばらしい!!いつか実物に逢いに行きたいです、だって女の子ですからね♪今日はひな祭り、nobukoさんも楽しまれて下さいね。

  6. nobuko

    ひれりちゃん、いらっしゃいませ~!つるし雛、素敵ですよね。
    >買えないことを嘆くのではなく、「それじゃ、こんなのどう?」って発想が逞しくて、素敵。
    同感です!そういう発想こそ文化だと思います。端切れで作るから色もまちまちで、それがために華やかに見えるんだからエライ。江戸時代のつるし雛は、藍や縞で作られたのかもしれない。それもまた趣きがあって愛しいです。

    1. nobuko

      あら~知さんいらっしゃーい♪ 見て頂けたのね。
      村上のお雛様も全国的に有名になってきているようですね。

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