マンハッタンのリトル・ジャパン-East Village (その2)

地下鉄6番線の「Astor Place」で下車。地上に出ると小さな広場が目の前にある。4番街(ブロードウェイ)とラファイアット通りの交差点だ。広場からSt. Marks通りを東に向かって歩くとすぐに2番街。St. Marks Placeだ。個性的なビレッジの中でもここは特にユニーク。East Villageの中心で、パンクファッション、刺青やボデイ・ピアスの店、バーやカフェに混じり、日本食の店も増えてきている。深夜まで賑やかな場所だ。St. Marks通りは数字で現すとEast 8丁目だ。St. Marks通りの隣、East9丁目とEast10丁目界隈が、日系スーパーマーケット、居酒屋、ラーメン屋、パン屋に和食レストランが集まっている、ちょっとしたジャパン・タウンなのだ。

 

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St. Marks通りだけで「ラーメンせたが屋」「蔵出しラーメン」「大衆居酒屋ケンカ」「焼きとり大将」「UDON WEST」に「JAPADOG」などなど、日本食を意味する看板が目に飛び込んでくる。なかでも目立つのは「大衆居酒屋ケンカ」と「JAPADOG」。「大衆居酒屋ケンカ」の方は夜だと、席が空くのを待つ若者たちで、冬の寒い日でも、入り口付近は大混雑。写真を撮りたくても店構えが見えないほどの人、人、人。きっと安いんだろうな〜。

 

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道路を隔てた「JAPADOG」はと言えば、大きく派手なサインで目立つ店だ。店の入り口の大きな掲示板に、ここで和風ホットドッグを食べた有名人の写真が所狭しと張り出されている。FacebookのMark Zuckerbergまでが食べに来ているのには、少々、ビックリ。お昼にはちょっと早かったけれど、メニューを見てたら味見をしなければと思ってしまい、店内へ。中は普通のファースト・フードの店なのだが、やたらと店の歴史の話や、「JAPADOG」開店に関わったたくさんの日本人名がアート風にアレンジされ、壁の一部になっているのが目を引く。また、どうやってお好みのホットドッグを選ぶか、図式形式になっているのが可笑しい。

 

IMG_2198私は小さいサイズのやきそばドッグJr。娘は「JAPADOG」で一番人気だと言う照りマヨドッグJr。これはホットドッグに照り焼きのタレとマヨネーズを混ぜたソースがかかり、刻み海苔がたっぷりその上にかかっている。やきそばドッグは懐かしい味だし、海苔のトッピングの照りマヨドッグも日本人の口にはよく合う。

 

アメリカ人の評判を知りたいと思い、若者向けのレストラン評価サイトの「Yelp」で「JAPADOG」の評判を見てみる。平均評価は5段階中の3.5。まあまあの評価だと言えよう。概ね好評だが、何人かが価格の高さを指摘していた。アメリカ人にとってホットドッグは安価な食べ物である。マンハッタンでは普通のホットドッグは一個、2ドルあたりであろうか。「JAPADOG」の和風ホットドッグは普通サイズだと一個が4ドルから8ドルもする。おまけに飲み物も一緒に注文したら安価な食べ物とは言えなくなるというわけだ。なるほどね。

「JAPADOG」はオーナーの田村徳樹さんが2005年にカナダのバンクーバーで、屋台から始めた店だそうだ。アメリカ人にとってはソウル・フードの食べ物であるホットドッグに、海苔、かつお節、大根おろしや照り焼きソースのような和風味で食べさせるユニークさが、マスコミの話題となり、ついには2012年にアメリカまで進出するようになったというわけだ。ある意味、田村さんはアメリカン・ドリームの体現者なのだ。納豆や明太子を使い、イタリア人もビックリするパスタやら、インド人の感心する日本風カレーを作り出した日本人。今度はこの「JAPADOG」でアメリカ人のホットドッグに対する思い入れを変えることが出来るのだろうか。興味深々だ。

 

次には隣のE9丁目を探索してみよう。E9丁目に通じる道は、17世紀にこの辺り一帯の大地主だったオランダ人名がつけられた為、発音の難解なStuyvesant通りである。この通りに日系ミニスーパーの「Sun Rise Market」がある。そして隣り合ってパン屋の「Panya Bakerly」にレストランの「写楽」がある。ビルの狭い入り口からエレベータで地下1Fに降りるとそこは「Sun Rise Market」だ。

 

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(左:カルフオルニア産の日本米)

 

 

ニュージャージ州にある「Mitsuwa」に比べると規模は遥かに小さいけれど、品揃えはここの方がより日本人向け。東京で探して見つからなかった「雲丹入海苔の佃煮」がここで見つけたのはなんとも皮肉だった。

隣の「Panya Bakery」。外でも食べられるように、店の前にはテーブルと椅子が置いてある。日差しの暖かい日だったせいか、ダウンジャケットを着ながらもそこでコーヒーを飲みながらパンを齧っている若い女性がいた。ニューヨーカーは寒さにもタフですね。

 

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店内に入ると、売り場とレジにアメリカ人がいることを除けば、完全に日本のパン屋さん。メロンパン、アンパン、カレーパンにあんドーナツ。思わず「わあ〜!」っと声をあげてしまったほど。パンだけでなく、お弁当やおにぎりに1パック入のお惣菜まで種類が豊富だ。テイクアウト用メニューが書かれている黒板を見てみると、焼き鮭、味噌汁、ご飯に海苔と納豆までつく朝食があるではないか。ここでは日本式の食生活が簡単に出来るということなんだと、変に感心してしまった。隣のレストラン「写楽」をガラス越しに店内を覗いてみる。アメリカ人でランチタイムが混み始めている。

E9丁目には和食店「浜崎/Hasaki」、和風喫茶「茶庵/Cha-An」、その名も「蕎麦屋」、「酒場でしべる」に「炉端や」の看板がすぐに目に入ってくる。更には真っ赤な外観にガラス戸に描かれたお多福さんの顔の絵が目立つ、お好み焼きの「おた福」もE9丁目だ。

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まだ準備中のサインの出ている「浜崎」の前を通りかかると、店のガラス窓越しに日本人と思しき若い男性が、立派な枝ぶりの梅の花を活けていた。魚料理の美味しい店だと聞く。

 

IMG_2245前回,「茶庵」に行ったのは大分前のことだ。当時、日本人の友人がなぜかアフタヌーンティーのクラスを「茶庵」で持っていて、様子を見に行った。今も、店では煎茶、抹茶に中国茶を本格的に入れてくれ、お菓子のみならず、鶏そぼろ丼といった軽食も食べられるようだ。こじんまりした、いかにも和風喫茶店という趣だが、アメリカ人に表現させるとここは「禅的空間」ということになる。

「炉端や」にはまだ行ったことがないが、是非、一度行ってみたいと思っている店だ。六本木にある「炉端屋」の姉妹店だとのことだが、目の前で新鮮な魚や肉を焼いてくれる炉端焼き=バーベキューだから、アメリカ人にも好評だと言われる所以だろう。その名も「蕎麦屋」はマンハッタンで一番美味しい蕎麦やだと言われている。私は近場の52丁目(5番街と6番街)の「そば日本」でもっぱら食べる方なのだが、ここの蕎麦を食べて見る価値が十分にありそうだ。とにかく、入り口からして、どこか日本で見かける蕎麦屋そのものだ。

 

 

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「酒場でしべる」。居酒屋全盛のこの頃、酒場とは懐かしい言葉だ。日本酒の種類が多いらしいが、その割にはアメリカ人の客が多い店らしい。

 

さて、次はE10丁目を歩いてみよう。(続く)(スナイダー純子)

4 Comments

  1. りーたん

    マンハッタンにこんな日本村があるんですねー。興味深く読ませていただきました。看板のネーミングが面白いです。そういえば、デンマークのチボリ公園にも「ワガママ」という和食店がありました。外国人にとって、ケンカとか写楽って、印象的な言葉なんでしょうね。

    1. junko

      りーたんさん、コメントありがとうございます。「ケンカ」に「写楽」って、いかにもアメリカ好みですよね。「蕎麦屋」が店名なんですからね。昔、ニューヨークで私が通っていた大学のすぐ傍に「Daigaku(大学)」っていう名前の店がありました。カツカレーとかカツ丼とか日本の大学の学食みたいなメニューばかりでしたね。「ワガママ」っていう名のお店はヨーロッパ系なんでしょうかしら。確か、ロンドンにも「ワガママ」ってありました。East Village(その3)も、もうすぐアップしますので、よろしく!

    1. junko

      Yukoさん、いつもコメント、ありがとうございます。マンハッタンか私の住んでいる地域のニュージャージ、日本人がたくさん住んでいるニューヨーク郊外のWestchester郡あたりですと、特別なブランドにこだわらなければ、ほぼ、日本の食材は揃います。お米はカルフォルニア産ですけど、美味しいですよ。今日、我が家の近所の「J-Mart」(以前はファミリーマート名)に寄ったら、「牛角のやきとりのタレ」があったので買ってみました。今、上海に住んでいる友人が実家のある東京で、今、東京では「牛角」の焼き鳥のタレが人気でスーパーで売り切れていたと、FBに書いてあったんですけど、それがこちらにもありました。本当にそんなに「牛角」のタレって人気があるんですか?野菜はデラウエア州に「鈴木ファーム」というのがあって、そこで栽培されているものが日系のスーパーで買えます。

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