ニューヨーク植物園での「蘭ショー」(2)

私がニューヨーク植物園を訪れた日は雪だった。3月とはいえ、まだ冬枯れの世界の植物園は一面の雪景色だった。見事な枝ぶりの松の古木に積もった雪の風景は、まるで水墨画の世界にいるようだった。

 

IMG_1612

IMG_1614

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蘭ショー」の会場である、ビクトリア朝スタイルのガラス張りの大温室「Enid A. Haupt Conserbatory」の大きなガラス戸を押して温室内に入った途端、メガネが曇って何も見えなくなってしまった。

 

メガネの曇りを拭き、かけなおして周りを見回すと、大きな椰子の木越しに、プールに浮かんだ台に植えられた華やかな色彩の蘭の花たちが目に飛び込んできて、思わず「わあ〜!!」という感嘆の声が自然に出て来た。

 

 

IMG_1617

IMG_1661

 

 

 

 

 

 

IMG_1715

 

IMG_1778

 

 

 

 

小さい滝もあるプールの周りには、何本もの椰子の木が植えられ、苔に覆われた太い木の枝が縦横に組み合わされ、ジャングルっぽい雰囲気を醸し出している。それらの木々には白、ローズ色、ピンク、オレンジに黄色……色彩も形も様々な蘭の花たちが競うように咲き誇っている。外の雪景色とは正反対のカラフルな世界が目の前に展開する。カラフルであってもギンギラギンの極彩色の世界にならないのは、蘭という花の持つ、気品と優雅さによるからなのだろう。きっと、極楽浄土ってこんな感じなんだろうな〜と、思ってしまう。

 

IMG_1746

IMG_1767

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年の「蘭ショー」では、数えきれないほどの数のゴージャスなカトレアの花と、びっしりの胡蝶蘭で作られた塀の豪華さに息を飲む思いがしたものだったが、今年は出来る限り、自然に近い状態の蘭を鑑賞してもらうというショーの趣旨のせいか、雰囲気は少し控えめ。とは、言っても、甘い香りのオンシジウム、花がたわわのシンビジウム、多彩な色と形を誇るデンドロビウム、濃い紫青色の大輪の花の美しさにうっとりさせられるバンダ、大きなパンジーのような、その名もパンジー・オーキッド(ミルトニア属)の愛らしさ…….大温室内は蘭の甘い香りが漂い、まさに天国でした。

 

 

IMG_1621

IMG_1623IMG_1625

 

 

 

 

 

IMG_1664IMG_1701

 

 

 

 

甘く強い芳香のオンシジウム 

 

 

 

 

 

IMG_1654

 

 

 

 

 

うっとりさせられる濃紫青色のバンダ 

 

 

 

IMG_1707

 

 

 

 

 

愛らしいパンジー・オーキッド 

 

 

 

 

IMG_1683

IMG_1675IMG_1694

 

 

 

 

 

 

 

色も形も多彩なデンドロビウム

 

 

蘭栽培の初心者向けといわれるファレノプシス。サイズ、色彩も様々でやはりショーでも人気の的。このファレノプシス、日本では胡蝶蘭と優雅な名前がついているが、英語だとMoth Orchid(モス・オーキッド)、つまり、「蛾のような蘭」と呼ばれている。属名の「ファレノプシス」がギリシャ語のPhalaina(蛾)とOpsis(似る)に由来し、この蘭の花が熱帯にいる蛾に似ている事からこのような学名が付けられ、英名はそれの直訳というわけである。そうは言っても、白い優雅な花を見ていると「胡蝶」ではあっても「蛾」はないだろ〜!っと、言いたくなってしまう。そういえば、日本の「水芭蕉」はアメリカでは「スカンク・キャベツ」と呼ばれているんですよね。ホント、アメリカ人は風情の無い人達だと思ってしまう。それでも、様々なファレノプシス属の蘭を見ていると、熱帯の蛾ってこんな感じなのかな〜と、想像させるような、カラフルな斑点のある蘭もあって、初心者向けのファレノプシス、されど、その奥は深いようだ。

 

 

IMG_1677IMG_1736IMG_1739

 

 

 

 

 

        

胡蝶か蛾?ファレノプシス

 

今回の「蘭ショー」で私が初めて出会った蘭。ファイウス・タンケルビー(phaius tankervilleare)という、舌を噛みそうな学名の蘭。通称「Nun’s cap (尼さんの帽子)」と呼ばれ、日本では「カクチョウラン」と呼ばれている。種子島以南、東南アジア、オーストラリア、ニューカレドニアに広く分布すると説明されていた。シンビジュームのような大型の蘭で、花は通常外側が白色で内側は濃オレンジ色。外側の白がカトリックの尼僧の帽子を連想させる美しい蘭だ。一目で気に入ってしまった。育てるのは難しそうだが、いつか育ててみたいものだ。

 

IMG_1659

IMG_1764

 

 

 

 

 

 

 

 

私のお気に入りは「Nun’s cap」和名はカクチョウラン

 

 

 

「蘭ショー」で撮影した写真を基にYouTubeビデオを作成しました。2013年のニューヨーク植物園の「Orchid Show」、お楽しみ頂けると幸いです。

https://www.youtube.com/watch?v=Oh8udLaVDA0

 

(スナイダー純子)

 

 

 

 

 


1 Comments

  1. YUKO

    ランの世界は華麗で奥が深いですね。見てみたくなりました!
    でも、「スカンク キャベツ」って、身も蓋もないネーミングですね。ビデオもステキでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。