オーロラを見損ねたアイスランドの旅 5(最終回)

  • 2013/5/10

アイスランド最後の1日はオプション・ツアー。私達はオフロード・ジープツアーを申し込んであった。バスでは行けない溶岩大地の荒野を改造された車で走り回る趣向だ。タイヤを大きく改造した日産車が迎えに来てくれた。

 

IMG_2661オフロードを走る前にバイキング博物館に立ち寄る。バイキングの活躍した地域はヨーロッパ、北米のみならず、地中海から北アフリカ、ロシアにまで及び、世界史上、最も広大だったという。単にヨーロッパを荒し回った野蛮人だったというイメージがガラリと変わる博物館訪問だった。

 

次に訪れたのは干しダラ工場だった。アイスランド近辺の海域は世界有数の漁場で、アイスランドがEU加盟に躊躇しているのは捕鯨国であることと、この豊富な漁業資源の統制を失いたくないからだと言われている。塩ダラは今も主要な輸出品で、寒風吹きすさぶ浜でたくさんのタラが干されている風景。日本を思い出した。

 

 

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(左)寒風の中の干しダラ作業

 (右)ホテルの自室で買った干しダラで一杯

 

 

バスツアーの途中、この干しダラを買ってみた。バスの運転手に「臭いが強烈だからバスの中では食べないでくれ!」と、言われてしまったので、ホテルの部屋で夫と二人、ウイスキーの肴 に齧ってみた。かなり硬いが噛みしめると味わいがあり、一袋、食べきってしまった。日本人好みの味だと思った。

 

途中でランチに寄った小さな漁村のカフェ。地元の人しか来ないような場所でのランチは予想以上に美味しく、嬉しくなった。おかわり自由なロブスタースープ。サーモンのオープン・サンドイッチ。デザートに食べたキャラメル・ソースのかかったメレンゲ・ケーキの美味しさには感激。カフェのママさんの妹の手作りだとか。メレンゲ・ケーキは私の大好物のケーキの一つ。英国以外でこんな美味しいメレンゲ・ケーキを食べたのは初めてだった。そのことをママさんに話すと、大喜びして店の奥から、今、妹が焼いて届けてくれたというチョコレートケーキまで切ってくれ、おまけに代金はいらないという。旅の楽しさを実感した一時だった。

 

 

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左)カフェって看板に書いてあったけど、食堂っていう感じ?

(右)おかわり自由のロブスタースープ

 

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(左)サーモンのオープンサンドウィッチにデザートのメレンゲ・ケーキ

(右)大きく切ってくれたメレンゲ・ケーキ。これは美味しかったね!

 

いよいよ車はオフロードへ。砂浜をジグザグに走ってみたり、溶岩大地の真っ只中、でこぼこ道を全速力で走り回る。楽しんでいるのは客よりもドライバーの方かもしれない。シートベルトは勿論していても、なにかに掴まっていないとシートから転げ落ちそうになる。あまりのガタガタ運転に首を痛めるのではないかと真面目に心配したほどだ。泥道を車は猛スピードで走り、窓ガラスは泥だらけ。

後部座席の窓際に座っていた英国人のジェーンと夫はサイドの窓が泥だらけで外の景色はまるで見えない。一番座り心地の悪い真ん中の席に座っていた私は、逆にフロントガラスの泥をワイパーが落としてくれるので、辛うじて外の景色を見ることができた。まるで、ロデオみたいなツアーであったが、俳優のトム・クルーズも私たちが乗っている同じ車、同じドライバーでこのクレイジーなジープ・ツアーをやったんですって。

朝9時にホテルを発ち、戻ったのが夕方6時。泥だらけの車2台、町中ではかなり目立ったようだ。

 

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(左)(中)悪路の泥が跳ね上がり、サイドの窓からは外が見えない!

(右)泥だらけの車

 

 

レイキャヴィク最後の夕食は、New York Timesのトラベル・セクションで紹介されていたレストランに予約を入れておいた。店の名前は英語で「Fish Market」。

アイスランド/アジア風料理だという。店内に入ると、竹が壁に使われている。なるほど、竹はアジアの象徴なのね。おしゃれな客の多い店だ。確かアップ・スケールの店だと書かれていたっけ。メニューを見ると「Sushi」の項目まである。周りのトレンデイな客の会話を聞いていて、多くがアメリカ人だとわかった。きっと、私達のようにNew York Timesの記事を読んでやってきたのかも?

 

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(左)Glacier Roll (氷河巻き)

(右)馬肉。盛りつけはカラフルなんですけどね……

 

 

アペタイザーに「Glacier Roll (氷河巻き)」と馬肉を頼む。カルフォルニア巻、フラデルフィア巻きとかあるけれど、アイスランドだから「氷河巻」ね〜。恐れ入りました。メインは夫はミンク鯨のグリル、私は北大西洋産のサーモン。「氷河巻き」は脂の強い白身魚を使った巻物で、なんとも言えない味で、結局、残すことに。馬肉も綺麗に盛りつけはされていたが、私は味見をする気にもなれず、一人で食べた夫も美味しいとは言わなかった。私のサーモンは生焼けで、おまけにラテン料理風のソースがミス・マッチ。どれもまあまあ料理のなかで、唯一、ミンク鯨の料理がいけたのだ。くじらは軽くソテーされ、ワイン入のタレがかかっていた。夫,曰く、ねっとりしていて、肉は柔らかく、まるでフォアグラを食べているようだったとの事。全体的には期待していた料理にはほど遠かったので、デザートとコーヒーは別の所にしようということになり、店をでた。

 

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(左)フォアグラのように美味しかったミンク鯨

(右)北大西洋産のサーモンはソースとミスマッチ

 

 

IMG_2750近辺をブラブラ歩きしながら、何気なく入ったカフェ。そこでアイスランド名物の揚げ菓子(クレイヌール)を見つけ、それがデザートになった。ドーナッツよりは固い揚げ菓子、美味しかった。

 

 

 

 

ニューヨークに帰る日になってようやく太陽がわずかの時間、顔を出してくれた。空港までのバスが出るまで最後のレイキャヴィク観光。薄暗い町しか見ていなかった目には、太陽の光を浴びた町が急にカラフルに見えてきた。

 

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太陽の光に輝くレイキャヴィクの町の風景

 

 

 

ホテルの近くにバザールがあると聞いたので行ってみた。様々の干し魚、昔、日本で見た鯨のベーコンやら珍しい食品が一杯。これらの食材、アイスランドの人はどうやって料理するのだろう。早くここに来れば良かったとチョッピリ悔やむ。

 

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(上)様々な干し魚

(左)鯨のベーコン?

 

 

 

 

アイスランドでは天気が15分で激変するから雨でもしばらく待てばよいと、ツアーガイドのランさんは言っていた。でも、私の滞在中、ずーっと、雨、雨、雨。15分待っても天気は変わってくれず、最後までオーロラは見えなかった。

 

オーロラは見れなかったけれど、地震国のアイスランドで、過去にも将来にも火山噴火の危険性と隣合わせの生活をしながら、逃げもせず、何度でも不死鳥のように被災地から立ち上がるアイスランド魂一杯の人達に出会えたことは嬉しいことだった。アイスランド人のようにあきらめずにオーロラ観測、再度、挑戦しないといけないようだ。 長いブログにお付き合い下さいまして、ありがとうございました。

(スナイダー純子)

 

 

 

 

 

 

6 Comments

  1. 卯のはな

    アイスランドの想像を超えた自然はすばらしいです!NYからだからこそ行かれる場所ですね。そして食べ物もおいしそうですね。北国の無彩色に近い自然の中で色に対する憧れなんでしょうか、レイキャビクのカラフルな街並がとても印象的でした。オーロラは見られなくて残念でしたが、すばらしいアイスランド旅行をされたことは確かだと思います。

    1. junko

      卯の花さん、いつもコメントをありがとうございます。実はブログには書きませんでしたが、間欠泉を見にいった時、同じレストランでランチを食べていた、ロマンスグレーの髪の日本人らしき男性を中心とした小グループの存在に気がつきました。洗練されたオシャレ度は絶対に日本人っぽく、ガイドを雇った個人での旅行。助手らしき若い女の人に、奥さんっぽい女性もこれまたあか抜けた人。最初は友人の青木理恵さんのおしゃれなご主人みたいな人だな、と、思ってチラチラ見ていたんですが、ひょっとして、あれは坂本龍一だったかも?同行のアメリカ人に確認してもらうわけにもいかないし、実際の坂本龍一って見たことないけれど、彼ってニューヨークに住んでいるんですよね? 話が横にはずれました。日本の人にもっとアイスランドを知ってもらいたいです。何と言っても、日本人同様、地震というコントロール出来ない自然と向き合って暮らしている人々ですから。その災害地を観光にするタフさも持ち合わせている人達です。でも、最近は中国が天然資源を狙っていて、見かける東洋人はほとんどが中国人なんです。

  2. 卯のはな

    坂本龍一さんであった可能性は高いですね。今おっしゃるようにNYに住んでらっしゃるようですし、反原発運動もされてます。日本からはアイスランドは遠いですね。昔作家の小松左京がベストセラー「日本沈没」の印税で友達と旅行したのが、アイスランドだったそうです。その旅行の様子はTVで放送され見た記憶がありますが、小松左京さんが言うには、アイスランドは「太古の地球が残ってる地」そして「最も訪れてみたい地」だということでした。

  3. kaoru

    一気に読みました!ちょっとした短編小説、または旅のエッセイのようで
    読み応えがありました。
    アイスランドってNYから5時間なんて近いのですね。
    それにしても数々の映画ロケに使われるなど、地球の起源や自然の雄大さを
    体感できるユニークな場所なんて知らなかった・・・。
    ところで、オーロラを見るならカナダのイエローナイフの方が近いのでは?
    今年は特に当たり年とか。ご主人ともう一度トライしてみては?

    1. junko

      Kaoruさん、読んで下さってありがとう。お褒め頂けてとても嬉しいです。そうなんですよね〜、寒いけど、カナダの方がオーロラを見れる確率が高いと主人も言っていました。当人はカナダで再度挑戦する気のようです。また、続編が書けるかな?

  4. YUKO

    1~5まで、一気に読み返してみました。オーロラが見れなかったのは残念だけど、楽しみが先にのびた感じですね。それにしてもおいしそうなものがいっぱい。いま、日本ではクジラは超高級品ですが、アイスランドではどうなのでしょう?
    クジラを食べることで、よそからとやかく言われたりしないのでしょうか?

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