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渋谷の真ん中で「修理と手入れ」について考える展示開催

「ロングライフデザイン」をテーマに、その土地に長く根付いた地元らしいデザインのモノを、日本全国47都道府県で発掘し、紹介する活動を行う「D&DEPARTMENT PROJECT」。

2018年4月5日(木)〜6月11日(月)の期間「47 REPAIR & CARE-47都道府県の修理と手入れ展」が開催されるというので、内覧会に出かけてきました。

会場は渋谷ヒカリエの8階の「d 47  MUSEUM(ディヨンナナミュージアム)」。

 

C.J.WOMAN世代になると、モノをあまり買わずに、整理(不要なものを処分)していこうという気持ちが強くなりませんか?

と思いつつも、実際には処分しきれずに、けっこういろんなモノを持っていたりするのですが、理想としては愛着のあるもの、お気に入りのものだけを厳選して、身のまわりにおいておきたい、あるいは使っていきたいと思っているものです。

でも、そう考えるのは私たちみたいな年齢を重ねた人間だけではないようです。

今、時代はモノを買わない、持たない時代へとシフトしているのだとか。そういえば最近、DIY、シェアハウス、レンタルサービスなどの話題が多いですよね。

モノの消費は量より質へ。使い捨てるよりも、本当に好きなものを修理や手入れをして、長く使い続けたいという思考の時代になってきています。そして、修理や手入れをすることで「長く使い続けられる安心感」が、モノを選ぶ基準として改めて重要視されています。

今回の「47 REPAIR & CARE-47都道府県の修理と手入れ展」では、私たちの暮らしに関わる道具や衣類などの、修理や手入れをしているメーカーや作家さんを47都道府県から一つずつ選出。その取り組みを紹介・展示するとともに、修理・手入れのための道具を販売しています。

選定の基準は、

①その土地の資源、技術、風土に関連していること

②暮らしに身近な修理や手入れであること。

③自社製品に限らず、修理や手入れに関する取り組みを行っていること。

 

その一部をご紹介します。

こちらは、岩手からお越しの「うるしぬりたしろ」の田代淳さん。

陶磁器の割れや欠けなどを、漆を使って直す「漆継ぎ」「金継ぎ」をしてくださる方です。

そもそも「金継ぎ」とは、陶磁器の割れや欠け、ヒビなどの破損部分を漆によって接着し、金などで装飾して仕上げる修復技法のこと。でも、実は「金継ぎ」といっても、エポキシや新漆など自然素材でないものを使って金継ぎ風にやっているケースが多いそうです。田代さんが使用するのは本物の漆のみ。

なのであえて「金継ぎ」ではなく、「漆継ぎ」という言い方にされているようです。

 

 

お気に入りの器が欠けると悲しいですよね。わが家にも、いつか「金継ぎ」で直したいと思って欠けたままになっている陶器があります。

金継ぎすることで、器の景色が変わって、前よりカッコよくなる場合もありますよね。ちょっと憧れちゃいます。

 

 

ホームページから修理の受付も行っていますし、教室もあります。

うるしぬりたしろ

「47 REPAIR & CARE」展 関連イベント田代淳「漆継ぎを見て、体験して、学ぶ」

 

 

山梨県からの展示は貴金属の修理や磨き上げをする「貴金属直し」の「Jewelry Workshop GLENN」。

山梨県は昔から水晶がとれたので、石の研磨や金属加工の技術が高かったそうです。その技術を継承する貴金属メーカーが、ジュエリーやアクセサリーの修理、リフォームなどを受ける「Jewelry Workshop GLENN」を立ち上げています。

例えば親から子へと、思いのこもったジュエリーを贈る場合、修理や磨き上げ、サイズ直しをお願いすることができます。

あわせて、襖の引き手や釘隠しの磨きあげなどもやられているそうです。

「Jewelry Workshop GLENN」

 

 

奈良県からは、「拭き取り」をテーマに、蚊帳生地から作る布巾「白雪ふきん」が紹介されています。

長年、蚊帳製造業を営んできたおうちで、現当主のお祖母様が蚊帳のハギレで布巾を作り自家用に使っていたことから、蚊帳生地布巾が生まれました。

蚊帳生地を多層に重ね縫製されたふきんは、吸水性に優れ、乾きやすい。汚れ落ちもよく、丈夫で長持ち。

シミができたら塩素系漂白剤などで漂白しながら最初は食器拭き、そして台拭き、雑巾と用途を変えて使用でき、最後の最後はプランターの土留めなど、とことん使えるとのことです。

台拭き、雑巾に使う場合、タオルは繊維がループ状になっているけれど、蚊帳は繊維が平たく、面で拭くことになるので汚れをよく落とすことができるそうです。

東大寺・大仏さまの年に一度のお身拭いに、長年奉納されているという「白雪ふきん」。さっそく使ってみたくなり、即買いしてしまいました。

左下の布巾は、使い古した白雪ふきんを、玉ネギの皮で染め、刺し子を施したものです。こんな風に、最後の最後まで使えると素敵ですね。

白雪ふきん

 

神奈川県からは「衣類洗い」をテーマとした展示を行っています。「シルク・ドゥ・ソレイユ」の舞台衣装をはじめ、アーティストのライブ衣装をクリーニングする「LIVRER YOKOHAMA」では、自然由来にこだわったオリジナルの洗濯洗剤を開発。人にも環境にも優しい洗剤の販売とともに、プロのクリーニング技術を伝えることに注力しています。

佐賀県からは、ビジネスシーンに柔軟剤の香りは不要という考えから、完全無香料で生地を傷めないスーツ専用消臭スプレー「KIELT」(キエルト) を開発したフリーマムが出展。

「柔軟剤の香りは不要」という考えは、全くもって同感。最近は洗剤や柔軟剤に香り付きのものが多いけれど、あれはどうしてでしょう? 満員電車なんかで香りが入り混じり、充満すると気持ち悪い。消臭は必要だけど、無臭がベストですよね。

 

長野県よりまな板の削り直し

高知県より仁淀川の天然水とヒノキを利用した消臭スプレー

 

 

 

 

 

 

 

愛媛県より羽毛布団の洗濯、お直し、リフォームなど

沖縄県よりフクギを使った染め替え

 

 

 

 

 

 

 

 

とまぁ、こんな感じで、47都道府県の修理や手入れに関するメーカーや作家さんの仕事が紹介され、実際に修理などを受け付ける方法も記されています。

さらに展示場のすぐ横では、紹介されている洗剤や消臭剤、ふきん、お手入れグッズなどを購入することができます。

ショップコーナー

 

地域の特性を感じながら、モノを長く使い続けること、そしてこれからの消費のあり方を考えるきっかけになる展示です。

会期中には出展者を講師に招く、金継ぎや洗濯をテーマにした勉強会や、まな板の削り直しや洋服の染め直しなどの受注会といったイベントも開催されます。

詳細はWEBで公開されますので、興味のある方はぜひお出かけください。

 

47 REPAIR & CARE – 47都道府県の修理と手入れ展-

会期 2018年4月5日(木)〜6月11日(月) 会期中無休

11時〜20時 入場は閉館30分前まで / 入場無料

会場 d47 MUSEUM

東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8階

TEL   03-6427-2301

URL  www.d-department.com/jp/47-repair-care

 

リポート/土井ゆう子

2 Comments

  1. nobuko

    わあ、いい展示会ですね。行ってみようかな。
    白雪ふきん、奈良県の方にお土産でもらってからうちのお台ぶきんはずっとこれです。「大仏様のお身ぬぐい」
    近所に売っていないので、自由が丘のクオカまで買いに行きます。
    ガシガシ漂白してやわやわになっても、柔らかい部分拭きに。植木鉢まで入れるとは知りませんでした。

  2. YUKO

    nobukoさん
    白雪ふきんを愛用してらしたとは。さすがお目が高い。
    展示会にもぜひ出かけてみてください。決して派手ではありませんが、いいですよ。

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