暮らし

PRADAバッグ事件(前編)

某カード会社のCM。

「買い物は世界を救う」
本当か?? 経済を考えれば、消費者の財布のヒモが固いのは喜ばしくないのはわかる。
わかるが、買い物したくても、思うにまかせられないのも、また事実である。

私にとって夜中のパソコンタイムは魔の刻である。
やたらモノを買いたくなるのだ。

春先のことだった。バッグが欲しくなった。

ネットで検索していたら、調べ物をしようとウェブをたちあげても、バッグの広告ばかりアップされるようになった。最近始めたFacebookを立ち上げても、右サイドに広告が現れる。

その中にとても気になる広告があった。「工場より直販 PRADA 60%OFF」。

かの有名なナイロンバッグシリーズが19,300円。これから春に向けて欲しいと思っていた、グレーがかったベージュの革のバッグが21,000円。しかも送料無料。

ありえない!!! 60%off どころじゃない
どうせ偽物でしょ!!!と思ってはみるものの、どうしても、どうしても気になってしまう
Facebookを立ち上げるたびに、その広告が右側にピロ~ンと現れると、クリックして、お気に入りのデザインのバッグを探してしまう私

で、その広告に出会ってから10日めくらいのある夜。とうとう、魔の刻が訪れた。

クレジットカード決済で、購入してしまったのだ。
頭では偽物だと思っているのに、どうしても買ってみたくなったのだ。
特にPRADAのバッグが大好き、というわけでもないのに……。

この衝動。自分が理解できない。

一週間後にEMS便でバッグが届いた。
「どうせ偽物」と思っていても、少しワクワク。

でもそんな気持ちもあっという間にしぼんでしまった。

送り状は中国からのもの。

グレーのビニールパックを開けると、よれよれのダンボールが現れ、その中から白い布袋に入ったバッグが出てきた。

洋服の裏地のようなペラペラの布袋には MIRANO PRADA って印字されているけど、袋が裏返しになっている。

「ブランドもののバッグ、普通こんな扱いしないよね。」「夢も希望もない包装。」

と梱包を開けながら、ブツブツつぶやく私。

そしてバッグを手にとってみると、やたらずっしり重い。

革とはいえ、こんな重いバッグ……

「今どき誰が持つの??」

そしてよくよく見てみると、前面のステッチが一部分だけ二重になっていて、そのステッチが途中でプツンと終わっている。

偽物でもかなりな粗悪品。眺めているだけでテンションが下がってしまう。

バッグとともにINVOICEの書類が入っていた。それがなんと香港のペニンシュラホテルのPRADAのもの。

これって、どういう意味?

ここで売ってたものだってことがいいたいのかな?

記載されている住所などは正しいが、こんなものいくらでも偽装できそうだ。

とりあえずこのバッグを持つ気は失せてしまったので、どうしたものか考えた。

ウエブサイトのご利用規約を見ると、返品、交換についての記載があった。

以下、原文のまま。

(4)返品、交換について:

交換.返品の際には到着後7日以内に当社へご返送下さい。なお、必ず事前にメール、もしくはお電話にてお知らせ下さい。なお、お客様のご都合による返品交換の場合、往復の送料はお客様のご負担とさせていただきますのでご了承ください。

 もし、商品を到着後、お客様のイメージにより、違う場合は、返品することが出来ないですが、ご了承してください。交換した場合は送料はお客様に負担します。

中略

当店で販売している商品は、全て海外のブランド直営店、及び代理店から仕入れをしています。全て正規品ですのでご安心下さいませ。また、新品のみの取り扱いとなります。

な~んだ、返品できるんじゃん、と思い、すぐにHP記載のアドレスにメールしたところ、1日たっても返事が来ない。

そこで電話を入れたら、先方からメールが届いた。

そのやりとりは以下のようなもの。返信の文章は日本語が少し変だけど、原文のままだ。

先方からのメール

お客様

いつもお世話になります

席ほどは電話で連絡いたしました

ご連絡どうも有難うございます

ご注文したバッグがもう到着しました

何にか問題がありますか

御返信を待ちます

宜しくお願いします

私からのメール

昨日、返品理由についてはメールしましたが読んでいませんか?

バッグのフロントの目立つところのステッチが二重になっていて、途中で切れています。また、バッグの重さが重すぎます。

とても使えるものではないので、返品させてください。

なお御社の名前がわかりません。どちらに返品すればいいですか?

(なんとサイト上には住所と問い合わせの電話番号はのっているものの、会社の名前がなかったのです)

先方からの返信

いつもお世話になります

昨日のメールは届けないですが本当にすみませんでした

では、到着したバッグの悪いところは写真を送りしてください

確認次第に、すぐ、お客様と連絡します

宜しくお願いします

 

私からのメール

写真、添付しました。

バッグ前面下部です。

ステッチの一部が二重になっていて、その二重が途中で切れています。

粗雑なステッチです。恥ずかしくて持ち歩けません。

先方からの返信

お客様

いつもお世話になります

ご迷惑を掛けて、申し訳御座いませんが

バッグは確かに縫うの方は少し問題があります

弊社はお詫びのために、部分の修理料金を返金してもよろしいですか

御返信お待ちます

宜しくお願いします

私からのメール

部分の修理料金とはどういう意味ですか?

当方としては返品して、料金を返金していただきたいのですが。

先方からの返信

お客様

その悪いところは普通の修理店へ行って、修理することが出来ます

それで、弊社はお詫びを表す為に、修理金が負担いたします

よろしいですか

私からのメール

それはおかしいです。

どうして新品なのに、修理しなければならないようなモノを買う必要があるのでしょうか?

まして自ら修理店に行くなんて考えられません。

私は修理が必要な中古を買ったわけではありません。

不良なものを受け取ったのですから、返品するのはあたりまえのことです。

不良なものを販売したのですから、責任をとる必要があります。

先方からの返信

お客様

お世話になります。

お客様の気持ちがごわかりますが、弊社のほうも弊社のルールがあります。

お客様の場合は、誠にご返品を受け取りませんが、よろしければ他の気に入ったの商品がありませんか。

あれば、次回次回購入するときには大割引きを差し上げます。

よろしくおねがいします。

私からのメール

了解しました。

それでは、消費者生活センターなどに相談に行ってみますね。

先方からの返信

お客様

修理のほうはできないのでしょうか。

よろしくおねがいします

私からのメール

そちらで修理して、他の方に販売したらどうですか?

先方からの返事

お客様

お世話になります

一度修理したものは他のお客様に売ることが良くないと思いますが、一様交換できるかどうか責任者と相談いたします。

明日午前中返事できると思いますが、宜しくお願いします。

 

私からのメール

修理したものを他の方に販売できなくて、どうして私が不良品をあてがわれて、修理までしなくてはならないのでしょか?

それから私の要求は交換ではなくて返品です。

 

先方からの返信

お客様の要望がわかりました。

再度責任者と話し合います。

宜しくお願いします。

メールのやりとりはここまで。

以降、まったく返信なし。

私としては、最初から偽物だろうと思いながら、買ってしまった自分に責任があると思っている。仕方ないかと半ばあきらめる気持ちが強かったのだが、社会勉強をかねて、もう少し、この件について関わっていくことにした。(つづく)

※ちなみに、私がバッグを購入したこのサイト、この文章を書くにあたって久しぶりに見たら、まだ営業中でした。 後編を読む

(二宮つゆか)

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