その友達はいつも、自分のスタイルがあるお洒落をしている。
流行りのボトムラインやトレンドカラーにはほぼ興味がないようだけど、着こなしにモードな感覚があるというか、服をコーディネートするセンスを持った人なのだと思う。
以前会った時、彼女はスリムなジーンズにきれいなトップスを合わせていた。イタリアが好きでイタリアに住んでいた時期もある彼女のことだから、向こうで買ったものかなとチラ見していて、見覚えのある模様に気がついた。
「・・この柄ってさぁ、源氏香?」
「あぁそうなの。これは着物の生地で作ったの」
「作ったって、自分で作ったのこれ?!」
「難しいことはできないから、簡単な、ほぼ直線縫いだけど」
「へー、すごくいいね」
それが初夏の頃の話。
その後、彼女は着物リメイクにはまり、この夏はお母様の押入れから掘り出して来た着物をあれやこれやとリメイクして過ごしたらしい。リメイクの記録をブログにしたと聞いて、どれどれと覗いてみて驚いた。
K’s ramake 簡単&クールな着物のリメイク
(↑クリックすると K’s remakeのサイトへ飛びます)
感心したのは、「一回ゴミ箱に捨てた」という浴衣のリメイクシャツ。
う~わ~・・というほどオーセンティックな浴衣柄なのに、すごくいい感じのシャツに仕上がっている。着物のリメイクというとちょっと民芸調というか、和の趣味デザインが多いけれど、これはさっぱりしたパターンのせいか、絵柄の切り取り方がいいのか、「いい感じのシャツだな・・ってよく見たら浴衣じゃ~ん!」という仕上がりになっている。
うーん、可愛いぞ。
上のスリーブレストップス、私の体型では絶対一枚で着られないけれど、ジャケットインで着ても目を惹くだろうと思う。ショールとチュニックでアンサンブル風に着られるトップスも便利そうだ。
CJwoman世代の服選びでは、テクスチャー(素材感)が結構ポイントになると思う。着物は、本来リメイクしながら長く着るように作られており、そもそもテクスチャーとして素晴らしくパワーがある。こんな風にリメイクした服なら、CJ世代の普段着や街着になかなかいい。
友人は、ブログの中でかぶりTシャツの作り方レシピをダウンロード(無料)できるようにしている。裁縫が好きな人はもちろん、「直線縫いくらいならできる」という人も、古い浴衣あたりからトライしてみてはいかがでしょ?
(奥岡伸子)
※「源氏香」について
冒頭写真にある「ヨ」みたいな柄が「源氏香」。お香の組み合わせを図式化したもので、本来は香道で使う記号です。香の組み合わせによって「若紫」とか「桐壷」とか名前が付いており、源氏物語の52帖に合わせて52種類あります。
こんばんは~~。
ご紹介ありがとう!
それ源氏香模様? とすぐわかる友がいてくれて、その友がこんな風に応援してくれる友で、とっても嬉しいです。
着物は本当に失われてはいけない日本の財産、伝統工芸とかそういうことじゃなくて。そんな着物を日常に取り戻すに、浴衣は格好の素材でした。(一度は)捨てたりして本当にごめんなさい。心の底から浴衣(&着物)に感謝とエールと送ります。
いらっしゃ~い。ブログ紹介させてもらいました。
Kちゃん=イタリア~地中海というイメージがあるので、お手製トップスを見た時は、外国にも源氏香と同じ模様があるのだと思った私です。しかし、浴衣がこんなに化けるとは思わなかった。和布・和柄の底力ハンパないね。
素敵ですね。
これを見てたら、私も作りたくなった。
ところで「源氏香」って、なあに?
yukoさんいらしゃーい。作りたくなりますよね・・私は不器用でダメだけどトホホ。 最初の写真のシャツにある「ヨ」みたいな柄が源氏香で、お香の組み合わせを図式化したものです。香の組み合わせによって「若紫」とか「桐壷」とか名前が付いていて、源氏物語の52帖に合わせて52種類あります。源氏香模様は、日本古来の紋様として着物や帯にもよく使われますですハイ。分かりにくかったですね。注釈付けます。
さすが、呉服屋さんのお嬢さん。詳しいですね。
勉強になりました!
私は、今回紹介されているお洋服のなかで、その源氏香のが一番好き!です。
洋裁、やりたくなったけど、ミシンを調整するところからやらないと、と思うと、億劫になっちゃう。
それと針に糸を通すのが、最近は一苦労なのだよん。
ミシンの調整・・面倒ですよね。私なんかそれが面倒で、ミシン断舎離しちゃったです。
>その源氏香のが一番好き!です。
源氏香のシャツ、色合わせもなんか今風ですよね。古着物には見えない。和柄ってデザインがすごくいいと思います。