暮らし

カバンがない!無防備前カゴ、油断禁物

通っているスポーツジムのロッカールームは、土足はもちろん、運動用のシューズも履いてはいけない。
履いちゃいけないんだから、床に置くのももちろんNG、「シューズはロッカーに入れましょう。床に置かないでください」とたくさん掲示がある。でも、けっこう多くの人が無造作に床に置く。シャワーから戻って、自分のロッカーの前の床に他人のシューズが置いてあるとなんかもういやになっちゃう。きれいに洗った足なのに、なんで人の靴の跡を踏まねばならんのかね。

 

彼女たちの理屈は「ちょっと置くだけだから」「すぐ片付けるから」なんだ。なんで「ちょっと」なら許されるのか、お風呂上がりの私にはさっぱりわからない。
1時間だって、1分だって、靴が床に置いてあるのは事実で、その靴が置いてあった床に裸足で立つのはいやなんだ。
ちょっととか言って甘えないでほしいよなー。そう思って最近、毎回のようにジムでイライラしてしまう私。

 

ここまでは前ふりです。
そのイライラ系の私が、先日、やってしまいました。
「ちょっとだけだから」で、痛い目に遭っちゃいました。
荷物の持ち去られ。自転車の前カゴからです。
仕事先から持ち帰った資料を自転車の前カゴにいっぱい積んで帰宅するとき、
実家への届け物があるのを思い出した。
実家は私の自宅の隣なので、自宅に戻る前にちょっと立ち寄れば済む。
帰る途中に電話をして、立ち寄る旨を親に伝えた。

 

位置関係図
自転車を実家の門前に停めてピンポン。父が出てきたので届け物を渡すと、
「借りていた辞書を返すから」と言われた。それではと、門に自転車の頭を突っ込んでちょっと玄関先へ。
世間話をしながら辞書を受け取り、「じゃあね」と挨拶して門の外へ出た。
上記の「ピンポン」から「じゃあね」に要した時間は3~4分。「ほんと、ちょっとの間」だった。
外へ出た。自転車を押して、隣の自宅へ帰る……

 

あれ? 押している自転車がさっきより軽い……?
前かごの荷物が、ない!キャンバス地のバッグがなくなってる!
目の前がザーッと暗くなる。
バッグの中身は書籍のゲラ200枚×2通と、ゲラ修正前の赤字原稿全部。
「カバン盗られた!」すぐ帰宅して夫に報告。声が震えちゃった。
自転車にもカギをかけていなかった無防備な私だったが、自転車はそのままで、盗られたのはカゴの荷物だけ。
敵も自転車か、いや、バイクかも?でも何のエンジン音も聞こえなかったから自転車だろう。
夫と二人、自転車で手分けして近所を探すも、まったくの徒労。そんな一瞬の隙をついた奴が近所にモゾモゾしているわけがない。
バッグには貴重品は何も入っていない。中身は、他人には何だかわからない紙の束だけだ。ずっしりぎっしり何かが入っている封筒が見えたから、すごい物かもと思ったんだろう。
重い袋の中身は紙だけで、金目の物はなにもなし。
盗った人、今頃は怒り狂ってどこかに荷物をブン投げてしまった後だろうか。
とりあえず警察へ被害届を出しに行く。刑事課の方が出てきてくれた。
「荷物がなくなったと思われる時刻はいつですか?」の問いに「20時55分ごろから、21時までの間です」と答える。
ものの5分だ。
「ちょっとだし」「ここは私の家だし」「中身は重いだけで何の価値もないし」と考えてしまった私が、
たった5分で、その日一日かかって整備した作業物をぜーんぶ失い、
翌日は早朝から出勤して資料を作り直し、
赤字原稿をなくした件について相手先の会社に平謝り、会社の信用問題に発展するかもしれないから上司に報告して、こちらも平謝り。
しばらく立ち直れなかった。
自分にとっては「ちょっとの間」でも、そこをたまたま通った人にはそんな事はわからない。
とにかく自分は無防備すぎた。
中身がコピーした紙の束だけ、なんて、わかっているのは私だけ。
すぐ終わる用事だから、なんて知っているのも私だけだ。
家のそばには事件なんてないから、というのも私が考えているだけの甘ーい幻想。犯罪なんて、どこにだって転がっているきょうこのごろだ。
ぼーっとしていちゃダメ。甘えるんじゃないぞ自分。
大反省。
「お金も、カードも、命も残ってよかったじゃない」
落ち込む私に会社の人が声をかけてくれた。
謝りに行った仕事先でも「身に何かが起こらなかったことをよしと考えなくちゃ」と逆に励まされた。すべて悪いのは自分、の失敗なのに心配してくれる人たち。頭が下がりっぱなしだ。
「後をつけられていたのかもしれないよ」と言う同僚もいた。我が家は駅から少し離れた住宅地。もしも一人暮らしで、後から付けていた人に一緒に家に入られたら大惨事だよ、と。心配されてありがたいけど、だんだん背筋がゾクゾクしてきてしまう。
「破財擋災」(財物は失ったけど、財物があなた自身へふりかかる災難の身代わりになってくれたのよ)――中国では、物盗りの災難に遭った人をこう言って励ますという。
今回のアナタは資料がなくなって「財」も盗られなかったから、さしずめ「破資料擋災」だね、大丈夫だね! 香港の知人が笑って慰めてくれて、少しずつ気持ちが穏やかになっていったのでした。
タムラ(しかし、引続き反省および落ち込み中)♪

4 Comments

  1. りーたん

    それは災難!大変でしたね。私も「ほんのちょっとだけだから」ということよくあるので、気をつけようと改めて思いました。でもほんとに身に及ぶことがなくてよかったです。今の世の中、詐欺や窃盗が多くて、少しも気が抜けませんね。

  2. YUKO

    怖い話ですよね。オリンピック招致のプレゼンで、日本は世界一安全って言ってたけど、おきびき、ひったくり、気をつけないと駄目ですね。

  3. タムラ

    りーたんさん
    ありがとうございます。自分にとっての「ちょっと」を、狙っている人がいるんだと気付かされた一日でした。私はここ数年、出先での忘れ物も激増していているんです。注意力がどんどん散漫になっているんで、こりゃまずいなと思っています。

  4. タムラ

    YUKOさん

    以前、都内在住の友人が泊りがけの仕事に行くため早朝歩いていたら、後ろからバイクで来た奴がキャスターバッグを引ったくろうとしたそうです。東京の安全も怪しいもんです。友人の場合は荷物をがっちり握っていたので未遂で終わったけれど、引っ張られた勢いで転倒。大ケガには至らなかったそうだけど、ゾッとしますね。

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