スペイン料理に、鰻の稚魚をニンニクとオリーブオイルで煮た料理があります。
ワタシが初めてこれを食べたのは、六本木の俳優座の近くにあった「ボデゴン」というレストラン。
(かれこれ30年ほど前かなぁ~。懐かしい。)
すんごくおいしくて、大好きになったので、スペインへ行ったときにも食べました。
当時から、鰻の稚魚(アンギュラス)は高級食材だったけど、EUのウナギ稚魚漁獲制限など、厳しく漁獲が制限されている今はさらに高級に。
恐ろしくて、オーダーする気にもなりません。。
あ~、でも、アレ食べたいなぁ~
と思ってたとき、スーパーで目についたのが、生シラス。
鰻の稚魚を、生しらすで代用。
湘南や静岡沿岸でとれる生シラスは、春先のこれからが旬です。
小鍋にオリーブオイルをひたひたに注ぎ、ニンニクをひとかけ分、スライスして入れ、タカノツメも種を取り除いて投入。
弱火でじっくりニンニクの香りを抽出したら、シラスを投入。
揚げるのでも、炒めるのでもなく、シラスをひたひたのオイルで煮る感覚で加熱。
オイルがプツプツとわき、シラスが白くなったらできあがり。
シェリーや白ワインに合います。
余談ですが、スペインへ行ったとき、アンギュラスの缶詰をスーパーマーケットで購入しました。
お友達にお土産として差し上げたのですが、
「缶の表示にSURIMIって書いてあったよ」って、その友人から教えられました。
言われて、自宅にあったのを確かめてみると、本当に「SURIMI」って書いてあります。(スペイン語の材料表記のなかにSURIMIって書かれていても、あの「すり身」だなんて思いもしません)
で、缶詰を開けてみたら、オイルの中に浸かっているのは、鰻の稚魚にしか見えません。白く細長く、背中部分が黒くて、目までついています。
食べてみると、歯ごたえと風味がちょっと足りないけど、そこそこおいしい!
というわけで、すり身でもおいしいわけですから、シラスならなおのことOK。
カルシウムもたっぷりです。
簡単に作れるので、生シラスに出会えたら、ぜひお試しください。
(土井ゆう子)