グルメ

日本酒のおともに「このわたの茶碗蒸し」はいかが?

その昔、母が作ってくれる茶碗蒸しが大好きだった。

具材はユリ根、ギンナン、アナゴかハモ、かまぼこ、しいたけ、結び三つ葉など。

父が鶏肉嫌いなので鶏肉は入れない。我が家の食卓では全面的に鶏肉がNGだったのだ。

特にユリ根はホクホクと甘く大好きだった。底のほうに沈んだのを、掘り起こして口に運んだものだ。

ギンナンはほろ苦く、子供にとって、おいしいと思えなかったが、それを食べると、大人に一歩近づいたような気がした。

昔は、市販のだしの素など、使う習慣はないから、当然のことながら母は昆布とカツオでダシをとって作っていたのだろう。

4人家族なので、母と兄、私の茶碗蒸しは、ごく普通サイズの茶碗蒸しの器、父だけは別格で、小丼のような器で作られた。

それがたいそううらやましく、大人になって、自分で茶碗蒸しを作れるようになったら、絶対、「茶碗」でなく「丼」で作って、思いっきり食べようと決めていた。

 

家を出て、一人暮らしを始めたのが20代。

でも「丼蒸し」(こう呼ぶと、なんだか別の食べ物のようだけど)を、作ることはなかった。一人暮らしの最初の頃は蒸し器さえ、持っていなかったから。

それに、東京に来たら、外苑前と銀座に「吉宗(よっそう)」という長崎が本店の店があり、そこでは丼くらいの大きさの茶碗蒸しを食べることができた(今は、外苑前のお店はないようです)。

 

そして、ふと思ったのだ。私は茶碗蒸しの具材の味が好きなのではなく、口に入れた瞬間、“ふわぁ”と広がるダシの香りと、“ふるぅふるぅ”とやさしい卵の食感が好きなのだと。

 

あるとき、取材で四谷の「京料理 八平」を訪ねた。

ダシの基本的な取り方を教えてもらい、そのダシを使って、何か料理を1品作ってもらうという企画だった。

そのとき教わったのが「このわたの茶碗蒸し」。

これが、私の好みにドンピシャだった。具材はゼロ。

器の中が全面的に“ふわぁ〜”と“ふるぅふるぅ”で満たされていたのだ。

 

“このわた”とは、なまこの腸の塩辛のことで、たぶん酒飲みしか興味のない食品だ。瓶詰や、まれに竹筒に入ったものなどがあるが、いわゆる珍味というやつで、酒のつまみに、ちびちびとなめるように食べるのが一般的だ。

これを卵液に混ぜて、茶碗蒸しにする。いろんな食材を投入しなくても、このわただけで百人力の複雑な味が出る。

 

以降、家でも真似て作っているのだけど、そこはプロの料理人とは違って、ただの呑んべいな家庭の主婦。ちょっと手抜きでやらせてもらってます。

 

材料(2人分)は

卵/2個、水/340cc、白だし/大さじ1、酒/大さじ1 薄口醤油/小さじ1、塩/ 少々

このわた 適量

 

作り方

 

 

_DSC1609

①ボールに卵、水、白だし、酒、

薄口醤油、塩を入れ、よく混ぜる。

 

 

 

 

 

 

 

_DSC1612

②茶碗蒸しの器に、このわたを1〜2本入れ、箸で切るようにして、つぶしておく。

 

 

 

 

 

 

 

_DSC1617

③ ❷の器に茶漉しなでど越しながら、卵液を注ぐ。器に半分くらい注いで、卵液とこのわたをよくかきまぜ、さらに卵液を注ぎ、またかきまぜてる。

 

 

 

 

 

_DSC1619

④湯がわいてから蒸し器に器に入れ、中火で10分強、さらに弱火にして5分ほど加熱して、固める。

 

 

 

 

 

 

_DSC1624

 

 

⑤蒸しあがったところ。

 

 

 

 

 

 

本来、ダシをきちんととって作りたいところだが、卵液とダシを混ぜるためには、ダシをあらかじめ作って、冷ましておく必要がある。いつも思いつきと勢いで料理を作るので、その冷ます時間が、ちょっともったいない。

というわけで、普段は白だしを使わせてもらっている。まぁ、家庭の味ということで、おお目にみて欲しい。

 

本当に本当においしいのを目指す方は、ぜひ昆布と鰹節でダシをとって、お作りくださいね。

 

上に柚子皮をのせて。味が、このわたですかえあ、それはもう〜、日本酒にあいますよ〜。

上に柚子皮をのせて。味が、このわたですから、それはもう〜、日本酒にあいますよ〜。

 

 

(土井ゆう子)

 

能登産このわた「瓶入り80g」

価格:2,376円
(2016/3/13 09:17時点)
感想(0件)

瀬戸内海産このわた「200g樽入」

価格:3,240円
(2016/3/13 09:18時点)
感想(108件)

2 Comments

  1. nobuko

    ぐおおおおお、これはうまひょうでふ。

    個人的には最近だしまきを良く作るのですが、
    だしまきにしてもいい感じに飲めそうです~。

  2. YUKO

    NOBUKOさん。
    そう、いい感じにのめそうなのです。
    八平のご主人は、茶碗蒸しにん使うこのわたは、「岡山のが一番いい」といってました。岡山・・近いですね。
    お試しアレ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。