夫婦・家族

妻からの離婚劇「夫の退職金は分けてもらえますか」回答

<相談>

夫は62歳。私は55歳の共働きです。結婚して31年になりますが、離婚したいと考えています。財産分与は半分ずつということですが、退職金も半分は妻のものとみなされますか。

退職金を受け取れる場合、どんな手続きが必要で、いつどのように支給されるのか具体的に教えてください。会社員の夫は役職についており65歳が定年ですが、夫の退職金は「財産分与」の対象になるのでしょうか。

 

 

 <回答>

離婚するかしないか。。

 

多くの女性たちが、離婚の決断を前に思い悩んでしまうのが、経済面についてです。

手に職をもち、相当の収入があり、離婚後も悠々自適に暮らしていける自信があるのなら、金銭面を妥協してでも離婚を選ぶ、という決断もできるでしょう。

 

ところが、離婚後、収入のあてのない主婦の場合、高いハードルの前に途方に暮れているケースがかなりの数存在するのが現実のようです。

共働きでも、これまで二人分の収入で生活していたのに対し、離婚後はすべて一人で賄わなくてはなりません。離婚後のことを考えると、少しでも多く手元にお金を残したいと考えるのは当然かもしれません。

 

さて、相談者の質問ですが、

退職金は、財産分与の対象とみなされます。

 

婚姻中に、夫婦の合意によって合同で購入したものは「共有財産」になります。

預貯金、有価証券、不動産、車などがそれにあたり、所有名義が夫婦どちらであっても関係ありません。

まだ受け取っていない夫の「退職金」も共有財産に含まれ、これらはすべて分与の対象となります。ちなみに「厚生年金」も分割の対象となります。 

 

退職金の分与金額は、必ずしも半分もらえるわけではありません。結婚年数、夫の在職期間、勤務状況、妻の寄与度などの条件によって変わります。

 

退職金の分与計算式は、

「離婚時(または別居時)の予定退職金額×同居期間÷在職期間×寄与度」

 

仮に、予定退職金額2000万円、同居期間31年、在職期間40年、寄与度5割とすると、775万円となります。

このケースなら2000万円の退職金で、「775万円までの要求」が妥当な数字となりそうです。

金額は、二人が合意さえすればOKなので、話し合いによって決めればいいのですが、もし夫の抵抗にあった場合は、すんなりとはいきません。

 

一人で対処するには難しい面もありますので、弁護士など法律の専門家に相談することをお勧めします。

 

師匠の岡野あつこ先生は、弁護士にもセカンドオピニオンが必要だと提案しています。

 

一人目の弁護士さんで、まあまあの回答が得られても妥協は禁物。

納得のいく「財産分与額」が提示されるまで他の弁護士にもあたってみること。後で後悔することのないよう、相談したい内容を明確化して、2~3人に相談してみるといいでしょう。相談費用がかかったところで、数万円の出費です。納得のいく金額が手に入れば、損にはならないので、安易な妥協は禁物とのことです。

 

また、弁護士に依頼する際にもポイントがあると提案。

 

弁護士への成功報酬額について。通常10%のところ、それ以上の金額で解決できた場合は、15%の報酬を約束するなど、弁護士のモチベーションアップにつながる交渉術も取り入れてみるのも方法だとアドバイスしています。

 

もちろん、弁護士に信頼を寄せ、お任せする姿勢は大切ですが、全面的にゆだねるというより、ともに戦うという姿勢でいることも、離婚交渉には欠かせない大切なポイントといえそうです。

現在は、弁護士報酬規定がなくなっているので、こうした契約方法まで視野に入れることで、力を発揮してくれる弁護士さんも存在します。

確実に退職金が出るという見通しがあれば、まずは弁護士に相談してみてください。

報酬額を決めたら、振込方法も含めて書面化しておくことを忘れずに。

 

 

退職金の受け取り方法は以下の2通り。

1.将来受給される金額を現在の金額に計算し、結婚期間に応じて支払われる。

2.夫が支給されるようになってから支払われる。

 

「退職金」の支給がまだ先の場合、本人が退職していたり、会社が倒産している可能性もありますので、できれば、離婚時に受け取れるようにしたいものです。

 

「退職金分与」の申し出をしたからといって、誰しも退職金が受け取れるわけではありません。

運よくもらえたのなら、ありがたく受け止めればいいのですが、想定外のことが起こるのも人生です。

「こんなはずじゃなかった」と落ち込むことのないよう、最悪のケースも視野に入れ、様々な離婚手続きに対処できる知恵を身につけておきましょう。

 

 (文責・渡辺里佳)

 

 


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