夫婦・家族

妻からの離婚劇 「夫に隠し子がいたんです!」2

私、美佐子55歳。5年前のある日、主人の部屋で、見知らぬ女性と子どもが写った写真を見つけました。女の勘でピンと来て、携帯メールを見て、主人の愛人だと確信しました。でも…、いまさら人生をやり直せるわけでもない。このまま何も知らないフリをして、仮面夫婦を続けていこう、そう決意したのです。

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「子どもたちに不憫な思いをさせたくない」。「このまま仮面夫婦を続けていく」。そう決心した私。だとしたら、これ以上騒ぎの元を作る必要はない。探偵ごっこなんかしない方がいいに決まっている。なのに、気がつくと主人の行動をチェックし、部屋をあさっている自分がいました。

 

写真を見つけて2ヶ月ほど経ったある日、ついにその女性が何者かをつきとめました。その日は主人が手帳を家に置き忘れていったのです。主人はマメな性格で、きちんと手帳をつける人です。スケジュール欄には、記号や目立たないような小さなマークとイニシャルがついていましたが、それがかえって怪しい。これも女の勘でわかりました。

 

「仕事で遅くなる」「出張だ」と言って主人が家をあける日と、マークがついている日がぴったりと重なっていました。さらに、別の場所に保管している年賀状も発見。差出人は、手帳のイニシャルと同じ。「これは間違いない」と思いました。そして、手帳のアドレスには、女性の名前も住所も書いてあったのです。

 

不倫相手は、主人の会社の部下であること。名前は高原幸恵(47)といい、会社の近くにアパートを借りていること。「勇太」という男の子と二人暮らしであることがわかりました。

 

主人は、結婚直後から、仕事が忙しいことを理由に、家のことや子育てについては私にまかせっきりでした。我が家はすでに母子家庭のようでしたが、それも主人が仕事を第一に考え、私たち家族のために働いてくれているからだと信じていたのです。でも違っていた。主人は、時間を作っては、愛人親子の住む別宅に通っていたのです。

居心地のいい家庭をつくろうと、毎日、掃除洗濯に明け暮れ、食事の支度をしてきたけれど、それはいったい誰のため?  主人のため? それとも私のため?

 

主人と愛人の不倫関係は、そのとき、すでに13年を経過していました。

13年…。なんという長い年月でしょう。13年前、私はまだ37歳でした。長男が11歳、長女は8歳。無我夢中で子育てしているとき、主人は愛人と密会を重ね、妊娠させていた。その子どもも既に12歳、小学校の高学年に成長していました。

改めて具体的な事実を知ることで、信じて疑わなかった主人への信頼が、ガラガラと音を立てて崩れ、これまでの私の人生すべてが否定されたような敗北感に打ちのめされました。

 

まるで知らなかった主人の世界。もうひとつの家庭を構え、両方の家を行ったり来たりする生活。ふと、向田邦子の「阿修羅のごとく」を思い出しました。人事のように楽しんでいたドラマでしたが、まさか私が、その主人公になろうとは…。

 

私は今の今まで、まったく不倫に気づかなかった。鈍感な自分にあきれると同時に、主人に対する関心のなさや愛情の薄さに気づき、愕然としました。

 

私という妻がありながら、長年愛人を囲っていたことに対して、もちろん怒りや悔しさはあります。でもなぜか嫉妬心は沸いてこないのです。もし、主人に対する愛情があったら、狂おしいほどのジェラシーで、愛人宅に乗り込み大騒ぎすると思うのです。でも、そんな気にはならない…。

それより、もっと早く主人の異変や不振な行動に気づくはずです。「これでは、よそに愛人を作られても仕方ない」と、やけに冷静に精神分析している自分さえいるのです。

 

改めて知る自分の気持ち。

ただ…

「離婚はしない」「仮面夫婦を続けていこう」

その決意だけは、変わることはありませんでした。

 

続く… 3を読む

(渡辺里佳)

 

 

安心と信頼のユアーズ総合探偵事務所


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