夫婦・家族

妻からの離婚劇 「ペットを引き取って離婚したい」回答

子どものいない夫婦です。3年前から犬のトイプードルを飼い始めました。とてもかわいくて、私は家族同然だと思っているのですが、夫はそれが気に入らない様子。ペットを巡り、夫とことごとく意見が食い違い、「離婚したい」とまで考えるようになりました。ペットが原因で離婚することはできるのでしょうか。

詳しい相談内容を読む

 

<回答>

犬、猫、ハムスター、ウサギ、モルモット、オウム、亀、くらげ…。

子どもの数が減少傾向にある中、ペットを飼う人は増えています。ペットの食事、トリミング、病院、ペットホテル、衣類やアクセサリー関連と、ペット産業はますます拡大。それだけ、ペットが大切な存在となっていることを物語っているのでしょう。

そうした背景からか、ペットを飼っている夫婦で、離婚原因の2、3割を占めているのがペット問題なのだそう。さらに離婚となったときは、ペットをどちらが引き取るのかという紛争に発展します。

 

動物は、法律上「モノ」として扱われます。

動物愛護法でも飼育している人を「動物の所有者又は占有者」と表現し、法律用語でいうと「離婚に伴う財産分与の問題」となるそうです。

維持・管理に要する費用は、わかりやすく「飼育に関する費用」と明記されることが多いとか。

子どもと違って、さすがに「養育費」とは言わないんですね。なので、請求を拒まれたとしても、強制力はなさそうです。

 

生き物大好き、ペットを家族同然と考えている人がいる一方で、動物嫌いの人もいます。

そして、ペットにお金を費やすことや、ペットばかりかまいすぎることを面白くないと感じたり、焼きもちをやく「嫉妬心」に近い感情を抱いている人がいるのも事実です。

こちらのケースも、もしかしたら、妻があまりにペットばかりかまうので、ご主人がやきもちを焼いているのかもしれません。

でも、妻からすると、生き物を大切にすることを否定され、夫の人格まで疑い、不信感が募ってしまったのかもしれませんね。

 

もともとは、ペットに対する考え方の違いだったのが、感情と意見の食い違いがどんどんエスカレート。

ペットは身近な存在だけに、常にケンカの火種があるということになり、一緒に生活するのが苦しくなっていくのでしょう。

 

さて、「ペットを理由に離婚できるのか」という質問ですが、夫婦が話し合いによって、「結婚生活を解消しよう」と決めれば、協議離婚が成立します。

離婚理由はなんであれ、二人が合意さえすれば、離婚届は提出できるからです。

 

ですが、どちらか一方が「離婚したくない」「離婚は絶対にしない」などとなった場合は、協議離婚は成立しません。

納得いくまで話し合うか、家庭裁判所の調停に申し立てることになります。

家裁では、調停員が中立の立場で、双方の言い分を聞いて判断します。

夫婦それぞれの話を聞き、問題点を整理し、妥協点が見つかれば、離婚ではなく修復できる可能性もあります。

 

反対に、どうしても互いに譲らず、意見を主張した場合は、「婚姻生活の継続は困難」と判断し、離婚の方向に向かう可能性が大きくなります。

 

熟年離婚の代表的な原因は、「性格の不一致」がダントツに多いのですが、この場合もこちらに当てはまりそうです。

夫への不信感が募っている、ということなので、ペット問題がきっかけで、夫婦の考え方、価値観の違いが露見してしまったケースといえます。

ただし、慰謝料については、何が「慰謝の対象」となるかがはっきりしません。金額を請求したい場合は、法律の専門家である弁護士さんに相談してみるといいでしょう。

 

補足ですが、

家裁の調停は「離婚調停」だけでなく、「夫婦円満調停」という申し立ても出来ます。

夫婦喧嘩は、二人だけで話し合いをしても感情的になりがちです。

この場合も、ペットだけに焦点をあてて考えると、本質の問題からずれて収拾がつかなくなります。早急な結論を出す前に、まずは第三者に入ってもらい、相手の言い分を聞いてみてはいかがでしょうか。

 

昔は、仲人さんやおせっかいな近所のおばさんや親戚がいたものですが、今は、そういう存在が少なくなりました。

第三者が間に入ることで冷静になれる場合があります。

公共の相談機関やカウンセラーも視野に入れてみてください。

長期的、俯瞰の視点でアドバイスしますので、今一度冷静に考える機会が得られます。

 

夫婦ふたりの絆となるはずのペットが、離婚のタネになってしまうとはなんとも皮肉な話ですよね。

でも、一番の被害者は、飼い主の顔色を見て生活しているペットといえるかもしれません。

 

夫婦はもともと価値観が違う他人同士です。

ペットに限りませんが、共同生活をしている限り、ささいなことも一つひとつ二人で話し合い、互いに歩み寄って折り合いをつけていく。これに尽きるような気がします。

 

(文責・渡辺里佳)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。