夫婦・家族

妻からの離婚劇 「どうしても子どもを引き取りたい」回答

<相談>

私43歳、夫は46歳。共働きで、中学1年生の娘が一人います。結婚してから気づいたのですが、夫と私は、性格も価値観もまったく合わない夫婦でした。今では、ケンカにもならないほど冷え切った関係です。限界に達して、離婚の話を持ちかけたところ、夫は意外にも、すんなりと離婚に同意してくれました。問題は子どもの親権です。双方が「親権は譲らない」と主張しているのですが、どうしたらいいでしょうか。

詳しい相談内容はこちら

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<回答>

離婚問題に直面したとき、一方が、離婚したくても、相手が拒否すれば、泥沼化してしまうケースが多い中、「離婚の合意」がすんなり出来たのは、不幸中の幸いといえます。

ところが、子どもの親権問題でもめてしまったのですね。

 

未成年の子がいる場合、離婚に際し、「親権者」「監護者」「面会交渉」「養育費」の取決めをしなくてはなりません。

 

「親権」とは、親が子どもに関して持つ権利・義務のこと。親権者は、子どもの生活や教育に関する権利・義務や、財産に関わる権利・義務を持ち、子の法廷代理人になります。

 

「監護権」とは、子どもの監護・教育する権利で、親権の一部です。監護者を親権者が兼ねる場合が多いのですが、別にすることもできます。親権を持たなくても子どもを引き取る権利があります。

 

「面会交渉権」とは、子どもと別に暮らす親が子どもに面会する権利のこと。面会の頻度、時間、連絡方法などを決めます。

親として当然の権利で、一方の親は、子どもに会わせることを拒否することはできません。子どもへの悪影響を及ぼす恐れがあったり、支払い能力があるにも関わらず、養育費を払わない場合などは、面会交渉が認められないこともあります。

 

「養育費」とは、子どもの監護、教育をするのに必要な費用のこと。衣食住、教育費、医療費、交通費など、子どもが自立するまでに要する費用全般をいいます。養育費は、子どもが持つ権利で、どちらに親権があるかとは別に、父母の資力に応じて分担します。「養育費」は、子どもと一緒に生活しない親でも支払う義務があります。支払い期間、1回あたりの金額、支払い方法などを具体的に決めましょう。

 

離婚となると、夫婦の争いが前面に出て、自分たちのことでいっぱいになりますが、「離婚」は大人の都合でするもので、子どもに罪はありません。離婚後、子どもが、どのように暮らしていくのがいいか、子どもの幸せを第一に考え、総合的に判断しましょう。

 

決めた内容は、「離婚協議書」など書面にして残します。合意内容は、法的効力をもつ強制執行認諾約款つき「公正証書」にしておくのがお勧めです。

 

2人での話し合いが困難な場合は、「調停」を申し立てます。第三者機関による中立の立場で判断を下してもらいましょう。

双方に経済力があるのであれば、どちらが引き取ってもいいと判断されるかもしれませんが、どうしても子どもを引き取りたいのであれば、お子さんと一緒に暮らすメリットなどを整理してリストアップしておくといいかもしれません。普段の親子関係もポイントになります。

 

経済力も含め、子どもの心身への悪影響が少なく、健全に育成が出来るかどうかが判断材料となりますが、日本では、子どもの年齢が15歳ぐらいまでは、経済力のなさやネグレスト、虐待など、よほどの事情がない限り、母親が親権・監護権を持つケースが多いようです。母親は、産む性であり、実務的にも母性尊重とするところがあるからです。

なので、母親が「親権」を取れる確率は高いでしょう。

 

ただし、子どもが中学生くらいになれば、本人の意思や意見もあるはずです。どちらの親と暮らすのかは、お子さんの「意思」によって決まるのではないでしょうか?

たとえ「親権」を確保したところで、数年もすれば、子ども自身が、自分の意思で住みたい場所を選ぶようになります。

 

日本では、離婚後、親権者の片親だけで子育てしていくのが一般的ですが、欧米では、離婚後ももと夫婦が協力し合いながら共同で子育てしているケースが多く、子どもが両親の家を行ったり来たりしている例も珍しくありません。

 

子どもにとっては、世界に一人ずつしかいない父親と母親です。

「親権」をどちらの親がとるか、ということにこだわるよりも、離婚後、どう子どもと関わっていくのかを考えるほうが重要です。

 

もし、親権がとれなかった場合は、「面会交渉権」を確実に取ることを忘れずに。離婚後も定期的に交流を図り、良好な親子関係を築いていければいいと思います。

 

(by 渡辺里佳)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。