夫婦・家族

妻からの離婚劇  「別居していると、慰謝料をとられてしまうのでしょうか」 回答

<相談>

「別居すれば、離婚しやすくなる」と聞いたので、3ヶ月前に家を出て一人暮らしをしています。ところが、夫に居所を突き止められ、「夫婦は同居し、協力し合い扶助しあう義務がある。同居義務違反にあたるから慰謝料を支払え」と言われてしまいました。

私のしていることは法律違反に当たりますか。夫に慰謝料を払う必要があるのでしょうか。詳しい相談内容はこちら。

 

<回答>

結婚相手に自分の考えや意見を言えず、我慢し続ける結婚生活は、つらいですよね。相談者は、これまで夫の支配下のもと、自己を確立する環境を与えられないまま、夫の強い態度や暴言におびえながら、長期間、苦しい結婚生活を送ってきました。とてもつらい日々だったことでしょう。

配偶者から、モラハラ(モラルハラスメント=言葉や態度などによる精神的な暴力)を受け続けてきた人は、自己肯定感が低く、自分に自信が持てず、常に夫の存在に怯え萎縮しながら暮らしている人が多いようです。

そうした環境のなか、家を出て一人暮らしを決行したのは、相当の決意と勇気を有したことと思います。夫から離れたい、離婚したいと望む強い気持ちと覚悟が伝わってきます。

 

同居義務違反に当たるかどうか、ということですが、日本では、「夫婦は同居し、協力し合い扶助しあう義務がある」と法律で定められています。

戸籍上、夫婦である以上、何の理由もなく、勝手に家を出てしまうと、「悪意の遺棄」「同居義務違反」とみなされる根拠となり、慰謝料を請求される場合があります。

 

ただし、仕事の関係で配偶者が単身赴任している場合もありますし、同意のうえで、別居生活を送っている夫婦もいます。

この場合、同居していないからといって罰則が与えられる訳ではなく、正当な理由があれば別居は認められています。いまのところ法律は原則論となっており、このあたり厳密ではなく、あいまいな規則ですよね。

 

このケースに関しても、別居に至る理由が正当だと認められれば、同居義務違反には当たらず、慰謝料も払う必要はありません。

 

調停や裁判となった場合、なぜ、自分がこのような状況になったのか、なぜ、別居せざるを得なかったのか、夫のどんなところが嫌だったのか、「夫婦が一緒に暮らせない」理由を、具体的に説明する必要があります。

まずは、「どんなことを言われたか、どう感じたか」自分の気持ちを文書化して、整理し、備えておきましょう。お子さんが証人になる可能性もありますから、あきらめることはありません。

 

また、別居中でも、離婚が成立するまでは、収入のある夫から婚姻費用(生活費)を受け取る権利もあります。害が及びそうな場合やこじれてしまいそうな場合は、専門家に相談するといいでしょう。

 

 

ところで、離婚問題に限らず、争いごとは、「証拠」が重要なポイントになります。

 

記録や写真などの証拠書類も有効な決め手になります。日記にその日の出来事を詳しく書いたり、感想などを書いておくと、重要な証拠になります。暴力を受けた場合は、病院の診断書や支払い明細書、領収書など。被害のあった箇所や、傷を受けた身体などの写真も有効です。

タレントの高嶋夫婦の場合も、美元さんが録音した夫婦の会話を公開していましたが、これも証拠のひとつです。(美元さんにとっては、この証拠、かえって不利だったような気がしますが…)

 

証拠を揃えるといっても、なかなか難しいかもしれませんが、普段からこまめに記録するクセをつけておいたり、信用できる人に話しておくことは、何かあったときに、自分の身を守ることにつながります。

 

別居期間が長くなると、「すでに、婚姻関係は破綻している」とみなされ、裁判でも、離婚が認められやすくなります。その別居期間ですが、昭和初期は30年と長期だったのが、最近は、約5年程度と格段に短くなりました。つまり「すでに婚姻関係は破綻しているので、結婚生活を強いるのは無理がある」という考え方が優位になったということ。

内容によっては、さらに短期間で離婚が認められるケースもあります。またまた引き合いに出してしまいますが、高嶋政伸さん夫婦は、2年強という結婚同居期間と同じくらいの別居期間がある、というだけでも「婚姻は事実上破綻」とされてもおかしくない、という専門家の声もあります。それなら公開裁判をせず、泥沼劇にはならずにすんだかもしれません。

 

ちなみに、夫から妻へのモラハラに限らず、妻からのモラハラやDVを受け続けている男性が増えています。夫の定年後、家にいる時間が長くなったとたん、妻の態度が急変し、冷たくする、怒鳴る、なじる、殴るといった「オニババのようになってしまった妻」を嘆く、可愛そうな殿方も少なからずいるようです。

 

読者の皆さん、ご主人に対して優しくしていますか? あまりにヒドイと、夫から「モラハラ」で訴えられるかもしれませんので、くれぐれもご注意を。

(渡辺里佳)

 


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