夫婦・家族

【夫の単身赴任は、実はていのいい家出だと思うのですが?】

日本人の寿命はとても長くなりました。

2017年3月1日厚生労働省が公表した第22回生命表によると、日本人の平均寿命は男性「80.75歳」、女性は「86.99歳」で過去最高を更新したことがわかりました。
平均寿命50歳といわれていた江戸時代に比べると、ずいぶん長寿命になってしまいました。60歳の女性なら、あと27年もあるんですねー。
とはいえ、健康でいる期間は限られています。健康で意識もはっきりして、身体が動くうちが花ですね。やりたいことがあるなら、元気なうちにやっておいたほうがよさそうです。

さて、今回の相談は、ご主人の単身赴任についてです。

<相談内容>
夫は60歳になってから地方にある子会社へ出向となりました。
私はパートで働いているぐらいですし、子供はすでに独立しているので、
一緒に行くと言ったのですが「いいよ、いいよ。お母さんと一緒にいてあげた方がいい」といって単身赴任してしまいました。
現在の住まいは、25年ほど前に建てた二世帯住宅です。
子育て時代に、何かと両親に手伝ってもらいたいと、私の両親との二世帯住宅にしたのです。
しかし2年前に父が亡くなり、子供達も独立。
1階は母ひとりに、2階は私たち夫婦だけとなっていました。そこに来て、夫も単身赴任に。すでに半年が過ぎましたが、夫はまだ2回くらいしか帰ってきていません。
本当は出向を口実に、家を出てひとりで自由に生活したいと思っていたのではないかと思います。夫婦の会話もほとんどなく、今後どうすればよいのでしょうか。(57歳・女性)

<回答>

ご主人が出向で地方に単身赴任となったのですね。半年間で2回しか帰ってこない、とのことですが、相談内容の中で気になったのが、後半の文章です。

「本当は出向を口実に、家を出てひとりで自由に生活したいと思っていたのではないかと思います」とあります。

「単身赴任はていのいい家出」ではないか
「ひとりで自由に生活したいと思っていた」のではないか
と考えてしまうのですね。

相談者さんは、どうしてそう思うのでしょうか。

夫の単身赴任が決まり、「やったー♪ やっと一人で好きなように生きられる~~」と大喜びする妻もいるのですが、相談者さんの場合はそうではなさそうです。

「夫婦の会話もほとんどなく」とありますが、二人の会話が少なく、「夫は私と離れたがっている」「一人になりたがっている」と感じているということでしょうか。
そしてそれは、妻としてやるせない、寂しいということでしょうか。

ご主人に「単身赴任は、いのいい家出なんでしょう」と聞いてみたところで、「そんなことないよ」と言葉少なに否定されるだけでしょう。

ご主人の真意はわかりませんが、もしかしたら「赴任先まで付き合わせるのは申し訳ない」、「お母さんを一人にする訳にはいかない」「何度も帰宅するとお金がかかる」という気遣いがあるのかもしれません。

いずれにしても、憶測で考えていては、本当のところはわかりませんし、何も変わりません。
夫の気持ちを推し量るのではなく、自分自身がどうしたいのか、
何をして生きていきたいのか、自分の心に問いかけてみてください。

相談者さんの気持ちに、「寂しい」「悲しい」という感情があるのだとしたら、その思いは、ご主人に伝えていますか。
単に「一緒に行きたい」と伝えるだけでは伝わりません。
言葉足らずは誤解を招くことがあります。
もし「夫とは離れたくない」「一緒に暮らしたい」のであれば、なぜそう思うのかを具体的に話して、ご主人の思いも、具体的に聞いてみてください。
仮にご主人から「一人でいたいから」という言葉が返ってきたとしても、その思いをいったん冷静に受け止めてください。
受け入れるかどうかは次の段階です。

相談者さんの心の中に「夫婦たるもの、これではおかしい」、「結婚とはこうあらねば」という世間体や義務感を感じているのでしたら、それは不要だと思います。
これまで、家事育児をこなし家族を支え、やるべきことをやってきたのです。
今後は、仕事だけでなく、趣味やボランティアなど自分の好きな世界を広げていくのもいいのでは。

長寿命になり、定年後夫婦で別々に暮らす別居婚も増えていますし、時々一緒に生活する、「時々婚」(今作った言葉ですが)も、それぞれの暮らしを尊重できて、案外、生きやすいかもしれませんよ。

たった一度きりの自分の人生です。
お母さまの思いや生活もありますから、お母さまとも話合ったうえで、優先順位を決めるといいかもしれませんね。

文面最後の、「今後どうすればよいのでしょうか」。
その答は、相談者さん自身がもっています。
人生後半こそ「自分軸」で悔いのない人生を送ってほしいと思います。

(文責・渡辺里佳)

 

6 Comments

  1. YUKO

    長年連れ添った夫婦なら、会話が減ってしまいます。
    日常生活のなかでも、なんとなく話がかみ合わなくて、
    ペットに話しかけるほうが多いくらいかもしれません。
    お互いの気持ちがわからないままでも、まぁ、いいかとも思ってしまいがち・・・・かも。

  2. 渡辺里佳

    YUKOさん
    そうですね。
    旅先で夫婦を観察していると、よく喋るカップルは愛人かも、と勘ぐってしまいます(笑)
    長年連れ添った夫婦は、たいてい無口でぷっきらぼうですね~

    「まぁいいか」という諦め、、これも熟年ならではの心境でしょうか。
    歳を重ねると、何事も面倒くさがりになるようですから。

  3. さくら

    うちも10年近く夫が遠い地方に単身赴任しておりました。その間に同じ敷地内の義理両親が次々と亡くなったり、子供も大学の関係で一人暮らしになり、似たような環境で。共感してしまったので、コメント失礼いたします。
    うちも大きめな家を建ててしまい、いやー、人生色々計画とは異なることがありますね。
    男性が60で地方に単身赴任とは、実は裏には色々大変なことがあるかもと感じました。
    60以降は大企業に多い事例ですが、大半がメインから外され考えさせられるような仕事しかなく、悩む方が多く、会社での存在価値という厳しい事態に直面するケースが多くあります。
    また、逆に出世して新しい任務や業績達成が課せられてる場合もありますよね。
    そして、旦那さんが奥様のお母さんと同居されていたこと自体、偉いですね。 
    また、奥様の淋しい気持ちもわかります。
    うちは、10年間も単身赴任生活に慣れてしまうと、かえならくなったり、戻ってもイヤフォンでラジオばかり聞いているのはある意味ショックでした。長い単身赴任で人か変わりました。また戻りたいとか、やりがい優先で、海外など単身赴任したいと希望していて、色々驚くばかりですが、尊重しています。逆に私も精神的に自立しなくてはと感じました。やがては老後一人暮らしになるかもしれないので。
    色々な夫婦の形がありますねー。

  4. 渡辺里佳

    さくらさん
    コメントありがとうございます。
    さくらさんご夫婦も、10年間の単身赴任生活で
    結婚の在り方について思い悩むことが
    多々あっただろうとお察しします。

    本当に夫婦はいろいろです。
    100組いれば100通りの夫婦の形があります。
    正解も間違いもないから余計に悩みが生じてしまうのかもしれませんね。

  5. nobuko

    夫56歳で地方転勤になった時、大学生の息子を家へ残してついて行き、昨年帰京した私です。全く知らない街に2人で住んでみたら、会話は…増えたと思います(他に話し相手もいない訳ですし)。面白かったのは、大学生の息子が夏休み冬休みに遊びに来ると、夫がいきなりオトーサン化して無口になること。機嫌が悪いとかそういうことではなく、「役割」にはまっちゃうんじゃないでしょうか。 相談者さんがもしも、ひとりで自由にしている(みたいな)夫を寂しく感じているのなら、遊びに行って現地を観光案内してもらうのもいいんじゃないかと思います。単身赴任なら家族の旅費が補助されるだろうし。

  6. 渡辺里佳

    nobukoさん
    心温まるコメントありがとうございます。
    知り合いもいない見知らぬ土地に二人で住むというのも
    新鮮でいいのかもしれませんね。

    仰るように、家で待つのではなく、夫の赴任先に遊びに行く。
    という発想だと楽しみが増えますね。

    オトーサンの役割。。わかるような気がします。
    夫婦と親子を無意識に分けてしまうのでしょうね~

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