夫婦・家族

【テレビを見ている夫にムカついてしまうのですが……】

年の差婚、年下婚、同性婚、別居婚、熟年婚、老年婚……。

ほんの20数年前には考えられないくらい、なんでもありの時代になってしまいました。

好きなように自由に生きていくことができる世の中になって、ストレスフリーの幸せな時代が到来! !

と思いきや、カウンセリングの現場では、むしろ悩みは増えている?!

どの家庭も、一枚ベールを剥がしてみるといろいろあります。

CJ世代は、子どもが独立し、夫が定年退職し、仕事の仕方も変わり、これからの生き方を模索する時期。

同時に、夫婦関係を見つめ直す時期でもあります。

 

今回は、家にいる時間が長くなった夫に対する不満を抱えた、爆発寸前の妻からの相談です。

 

<相談内容>

妻60歳、夫65歳の夫婦です。

夫は60歳で一旦退職し、現在は再雇用ということで週に2〜3度出勤しています。

昔に比べると家にいる時間が長くなったせいか、とてもよくテレビを見るようになりました。

私は昼間に、くだらない再放送のドラマをテレビでボーと見ている夫を見るとすごくイライラします。
「『相棒』(水谷豊主演の刑事ドラマのことです)の今の相棒は、あんまりあってないね」とか、くだらない感想をいうのも腹が立つのですが、同じことを、そのドラマを見るたびに何度も言うのもウンザリします。
ニュースを見ていても、政治家の悪口、コメンテーターの悪口をいっぱい言います。

私はそれを聞くたびに心の中で「じゃ、あなたはなんぼのもん?」と思ってイライラします。
夫にすれば、こんなことで私がイラついているなんて思ってもいないでしょうが……。

こういう気持ちって、どうすればなくすことができるのでしょうか? 実は離婚の危機なんでしょうか?

 

<回答>

夫の言動に、イライラしたり、ウンザリしたり、ムカついたり……。
精神的にもあまりいい状態とは言えないようですね。

 

昼間からくだらない再放送のテレビをボーと見ている夫。
テレビの出演者に向かって悪口を言う夫。
同じことを何度も言う夫。

夫のことを好意的に見ることができず、やや引いて冷静に観察している様子が伝わってきます。
期待する理想の夫像とはかけ離れた姿を見せつけられ、心の奥底では、夫に対する不満が蓄積しているのかもしれません。

夫婦関係で、一つ気になることがあると、ほんの些細なことまで気になって気になって仕方がない。

しかも悪いことばかり目につく、というのはよくあること。これは、夫よりも女性脳をもつ妻の方が感じやすいようです。
不満はその都度、さらっと吐き出して解消できればいいのですが、言葉を飲み込んでいるので、さらにモヤモヤ感がたまってしまうのだと思います。

 

「くだらないテレビばっかり見てないで、他にやることないの!?」
「私はこんなに忙しいのに、なんでそんなに暇そうなの!!」
「そんな時間があるなら、もっと有意義に使ってよね!!」
「自分はちゃんとしてないくせに~」
「人の悪口を言える立場じゃないでしょ!!」
「耳障り!! おんなじことを何回も言わないで!!」

 

私の勝手な推測ですが、相談者さんの気持ちを代弁してみました。が、ちょっと言いすぎでしょうか。(もっと過激に書けますが、これ以上は控えます)

夫婦関係の背景がわからないので、こちらも推測ですが、もしかしたら、ご主人が妻に気を使って、一生懸命に会話しようと頑張っている図式も考えられなくはありませんが、もしそうだとしても、相談者さんは、夫の言動を不快に感じているんですよね。

 

ところで、「ヤマアラシのジレンマ」という言葉をご存知でしょうか。
「ヤマアラシ」というのは、全身にトゲがあるネズミ科の小動物のことです。

寒いときに互いに身を寄せ合いたくても、全身にトゲがあるため、お互いに傷つけあってしまいます。

近づきたくても近づけない、というもどかしい精神状態を意味しています。
哲学者ショーペンハウエルの寓話を元に、精神分析の創始者、心理学者のフロイトが提唱した概念で、人間関係には、「適度な距離感」が重要だと唱えているのですが、この概念、まさに夫婦関係に当てはまりますよね。

熟年以降の夫婦関係は、「距離感」が大事だと常々思っているのですが、相談者さんの場合も、距離感のとり方に秘策がありそうです。

 

以前も、こちらのサイトに書いたのですが、相手に執着しすぎると苦しくなります。

夫の言動は「スルーする」か「気にしない」につきます。

それでも気になってしまうようなら、目に入らない、耳に入らないようにして、物理的な距離をおきます。

可能なら、テレビを別の部屋に移して、「見ざる・聞かざる」の環境を作り、見なくていいものは極力見ないように工夫します。

それも不可能なら、相手に、自分の気持を伝えるしかありません。

おっしゃるように、ご主人は、「妻がこんなことでイライラしている」なんて思ってもいないし、気がついてもいないのです。夫婦といえども、マナーは大切なのですから、ちゃんと教えてあげましょう。

男性は、女性ほど、心の内を察することができません。ストレートに言わないと伝わらないことがほとんどです。

「オフの時、テレビばっかり見てほしくない」
「マイナスな言葉ばかり聞かされるのはイヤ」
「悪口は不快だから控えてほしい」

くらいは伝えてもいいのではないでしょうか。喧嘩ではなくコミュニケーションのひとつなので、遠慮は不要ですよ。
ご主人にもプライドがありますから、もちろん言い方には気をつけて。

相手にも言いたいことや不満があるかもしれないので、この機会にお互いの本音が出し合えるといいですね。

わかっているけど、それもどうしても言えない……。

そんなときは、カウンセラーを利用してください。
溜め込みは精神衛生上よくないですから、吐き出してスッキリしてくださいね。言葉にすることで、心の整理に繋がりますし、人は、自分の気持ちを理解してもらえたと感じるだけで、ホッとする生き物のようです。

 

「離婚の危機」かどうかは、相手に思いをぶつけることで答えが出てくると思います。そして、離婚するかしないかの決断も自分次第です。

 

一人になったら、せいせいする。という気持ちもあるかもしれませんが、それは、相手が居るからこその感情です。

一人暮らしになったらなったで、話し相手のいない孤独感や加齢による病気や健康面に対する不安感が増してきます。

 

「愛情」の反対語は「無関心」。そして、「当たり前」の反対語は「ありがとう」だと聞いたことがあります。

パートナーの存在を当たり前とせず、そばに居てくれるだけで有り難いと思えたり、「まぁ、いいか」「私も人のことは言えないし」と寛大になったり、視点を変えることができたら、少しは楽になれるかもしれません。

 

それにしても、近づきすぎても離れすぎてもダメだなんて、夫婦間の距離って本当に難しいですね~

CJ世代の夫婦間では、敏感で勘のよすぎる「女性脳」は不要なのかも……。夫の浮気も気づかず、夫の言動も全然気にならないほど鈍感な方が幸せなのではないかと感じている今日この頃です。

 

(文責/夫婦問題カウンセラー 渡辺里佳)

8 Comments

    1. 渡辺里佳

      女性は「鈍感力」が必要だと思います。
      でも、それがいちばん難しいのかも。。
      女性には、第六感という特殊能力まで備わっていますからねー

  1. nobuko

    「実は離婚の危機なんでしょうか?」
    という質問にびっくりしました。そんな質問ってあるんですね。
    文句言う相手が目の前にいて、相手は何も気づかないで、神様(ここではコンサルタントさん)に「自分の状況」を問いかける。
    神様(ここではコンサルタントさん)のお答えがまた素晴らしく、毎度ながら感心します。

    1. 渡辺里佳

      nobukoさん
      ありがとうございます。

      「離婚したほうがいいでしようか?」
      「離婚の危機ですか?」
      「修復の可能性はありますか?」
      そういう質問をする人は少なくないです。

      たぶん、考える力がなくなっているんです。
      自分は変わらずに(傷つきたくなくて)、
      聞いたほうがてっとり早いですからね。

  2. nobuko

    >考える力がなくなっている
    なるほどなあ。心の具合が悪くなっているのですね。
    悪寒や頭痛を告げるように
    イライラする、我慢できない、自分ではどうしようもない、
    で、これは離婚の危機ですか?と言っているのですね。

    そうか、カウンセラーさんは神様じゃなくてお医者様なんだ。
    相談者さんが心安らかになれますように。

    1. 渡辺里佳

      nobukoさん
      カウンセラーは、神様でも医者でもないですよ!笑
      伴走者か応援団かなぁ

  3. 花村 桂子

    あー、わたしもだんなが寝転んでテレビ見て、そのうち寝落ちしてるのを見るとイライラします!
    一緒に見てて、テレビについて話してもとんちんかんな答えしか返ってこないし。

    >可能なら、テレビを別の部屋に移して、「見ざる・聞かざる」の環境を作り、見なくていいものは極力見ないように工夫します。
    わたしは、2Fに自分のPCを置いて、物理的に距離をつくったらスッゴイ楽!
    夫はTVをBGMにできるひとで、わたしはできないひと。つまんないテレビを見るのも、ネットを見るのも、同じ余暇なんだと思えるようになりました。わたしは冷たい妻かと思っていましたが、これでヨカッタんだと、安心しました。

  4. 渡辺里佳

    桂子さんは、2階にパソコンを移したら、楽になったんですね!良かったです。

    不満や愚痴を溜め込むのも疲れるので、
    これまでの習慣を変えたり、
    自分が楽になる方法をひねり出した方が良さそうですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。