カルチャー

試写会三昧の日々から、この夏おすすめの映画③

  • 2016/8/21
  • カテゴリー:

「リトルボーイ」といえば、第二次世界大戦で使われた

忌まわしい核兵器を思い出す人も多いと思うが、

この「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」は、

主人公の8歳の少年と家族、日系人との友情を通して戦争を描いた、

涙あり、笑いありのこの夏イチ押しの映画。

 

リトル・ボーイのポスター

時は第二次世界大戦下のアメリカ・カリフォルニアの小さな漁村オヘア。

頼もしくて優しい父と思慮深い母、ちょっとヤンチャな兄と暮らす

8歳の少年ペッパーは、同世代の中でもイチバンのチビで

いつも仲間からからかわれたり、いじめられたりしていた。

唯一の楽しみといえば、父と妄想で冒険遊びをしたり

人気奇術師ベン・イーグルのマジックを映画館で見たりすること。

でもそんな平和な日々は長く続かず、ついに戦争へ突入。

徴兵された兄は偏平足で引っかかり、かわりに父が戦場に行くことに。

「大好きな父を何とかして戦場から呼び戻したい!」

そこから、ペッパー少年の「父親奪還大作戦」が始まる――。

 

試写会場の秋葉原のUDXシアター。

試写会場の秋葉原のUDXシアター。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーリーは町に住む日系人ハシモトと少年のたどたどしい友情や

「パパを戦場から連れ戻したい!」と思うあまり

奇術師仕込みの念(!)を使って奇跡を起こそうとする場面など、

思わず笑ってしまうシーンが盛りだくさんで、

最初は軽いノリの映画なのかと思いきや、

やはり戦争はそう甘くない。

広島に「リトルボーイ」が落とされ、次は長崎にも・・・。

映画館で流れた原爆のニュース映像を見た人々や少年が

「ヤッター」と歓喜する場面では、

「いくら映画でもちょっとこの表現はどうなの?!」と

思わず帰ろうかと思ったくらい。

 

果たして少年の一途な思いは叶えられるのか?

ジャップと少年、村の人々との関係はどうなるの?

 

写真はどれも映画の公式ホームページより

ぽちゃぽちゃが可愛いペッパー・バスビー少年

ぽちゃぽちゃが可愛いペッパー・バスビー少年

いじめっことペッパー少年

いじめっことペッパー少年

 

 

 

 

日系人のハシモト

日系人のハシモト

奇術師ベン・イーグルと少年

奇術師ベン・イーグルと少年

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物語の舞台となった漁村の風景や少年の家、人々の服装など、

セピアがかったやわらかなトーンもこの映画の醍醐味。

聞けば、メキシコ出身の監督アレハンドロ・モンテヴェルデは、

広島に投下された原爆が「リトルボーイ」と呼ばれていたことに

着想を得て、
さらに偶然出会ったノーマン・ロックウェルの絵に触発され、

古き良きアメリカの家庭や風景をふくらませたとか。

 

最近はアカデミー賞に輝いた「バードマン あるいは

(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」や

「レヴェナント:蘇りし物」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督などメキシコ人監督の躍進が目覚ましいが、

これは、アメリカに住みながら、メキシコ出身ゆえの差別を強いられてきた

監督だからこそ描けた渾身の作品だと思う。

おかしくて、時々心がトゲトゲして、最後は・・・。

 

今回の試写会会場は、秋葉原駅近くのビル「UDXシアター」だが

久々に訪れた秋葉原は右も左もわからずほとんど異邦人状態!

駅ビルはアトレになってるし、会場のある「秋葉原UDX」

アニメのイベントやマーケットも行う複合ビルのようだし

早めに行って探索するつもりが、ただウロウロするはめに・・・。

オバさんにはツライ場所ですが、

ちょっと近未来感のあるビルだったから、

また機会あればアキバ探索してみたいかも。

 

公開は8月27日(土)~。東京ではヒューマントラストシネマ有楽町

渋谷のユーロスペースのみの上映ですが、

台風が来たり、ちょっと涼しくなった日に

出かけてみるのもおすすめです。

 

「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」

http://littleboy-movie.jp/index.html

(小林 薫)

 

4 Comments

  1. YUKO

    アメリカの人は今でも原爆を落としたことは間違っていなかったと思っている人が多いそうです。リトルボーイとは、意味深なタイトルですね。

  2. kaoru

    YUKOさん、そうなんですよね。
    アメリカ人は未だに「原爆によって戦争が早く終わった」と
    思い込まされている人が多いみたいですね。
    メキシコ出身のアメリカ人監督ならではの視点や着想で
    描かれたこの映画、モンゴル人と戦ったサムライなど
    おかしな日本人もかなりフューチャーされているので
    おもしろいですよ。

  3. nobuko

    アメリカの過半数がいまだに「終戦のために原爆投下は仕方なかった」という意見で、大統領は広島へ来る時も核爆弾のボタンを持って移動しているんですよね・・。

    でも、その当時でさえ「こんなことは間違っている」と思ったアメリカ人はいたらしく、原爆予告をした人がいたみたいです。アメリカは公式に認めていないけど、「投下されたビラを読んだ」とか「捕虜から「逃げろ」と言われた」という証言が複数。人は知らないことで残酷になります。

    「リトルボーイ」とは、本当に意味深だわー。

    映画の最期はどうなるのだろう・・うーん、知りたいけど怖いなー(へたれ)。

  4. kaoru

    nobukoさん、コメントありがとうございます。
    「人は知らないことで残酷になれる」深いですね・・・。
    とはいっても、映画は温かい色調に包まれ、
    ぽちゃカワな男の子と母親はあのエミリー・ワトソンなので
    きっちりエンタメに仕上がっています。
    日系人役のケイリー=ヒロユキ・タガワは、
    「またこの人か~、ほかにいないの?」という感じですが
    結構はまってました。

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