カルチャー

曽野綾子著「人間の分際」を読んでみたけど

  • 2015/9/22
  • カテゴリー:

「人間の分際」

 

過激なタイトルに惹かれて、読んでみた。

 

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「分際」

意味を改めてコトバンクで調べてみると

1 身分・地位の程度。身のほど。分限。大した身分でもないのに、という軽蔑(けいべつ)の気持ちを込めて用いることが多い。「学生の―でぜいたくだ」
2 それぞれに応じた程度。ほど。
3 分量。数量。

 

 

 

 

 

 

 

もし、「⚪︎⚪︎の分際で」なんて人に言われたら、かなりカチンとくる。

あんまりいい印象の言葉ではない。

 

1964年の東京オリンピックの時、女子バレーを率いて金メダルを取らせた大松監督が「為せば成る」と言ったことが、世間に大ヒットしら。それこそあらゆる人がその言葉をもてはやした。ーーーしかし「私は騙されないぞ」と思った。「為せば成る」なら、どうして多くの日本人が命を賭けて戦ったあの大東亜戦争に負けたのか

 

ほとんどすべてのことに、人には努力でなしうる限度がある、青年は「大志を抱く」のもいいが、「抱かない」のも賢さなのだ。

私は最近「身の丈に合った暮らし方」がますます好きになった。それも年をとったおかげである。自分がどういう暮らし方をしたら幸福かが、実感としてわかるようになったからだろう。

 

内容を簡単に要約すれば、世の中には「努力すれば報いられる」などという美談があふれている。しかし著者の体験によれば、いくら努力してもダメなことは実に多いという。

努力でなしうることには限度があり、人間はその分際(身の程)を心得ない限り、決して幸せには暮らせないのだ、と。

 

人間には分際がある・・・人は皆、自分の分際で生きます。それ以上にも、それ以下にもなれません。

 

人生の本当の意味は苦しみの中にある・・・うまくいかない時は「別の道を行く運命だ」と考える
人間関係の基本はギクシャクしたものである・・・人脈を利用する人に本当の人脈はできない
幸せは凡庸の中にある・・・感謝することが多い人ほど幸せになる
一度きりの人生をおもしろく生きる・・・話の面白い人は、人より多くの苦労をしている
死ぬときは独り・・・生まれるときは大勢の人間の生きてる社会に生まれるんだけど、死ぬ時は孤高ですすべてのものには分際がある

などなど。

 

書いてあることは、いちいち、ごもっともなんだけど、比較が極端だったり、宗教的なニオイが強かったり、上から目線だったり、なんだか違和感を感じるのは、私だけ・・・?

 

C.J.WOMANのように50代も過ぎると、若い頃夢見た人生が、夢見た通りになっているか、そうでないかが明白になってくる。

まぁ、夢を実現できている人は、ほんの一握りではないだろうか。

この先だって、大成できるとも思えない。

それは、才能が足りなかったのか、努力が足りないのか、運がないのか・・・。

原因はその全部かもしれないし、一部かもしれない。

 

しか〜し、である。

「自身の分際はこの程度」とうすうす感じながらも、それでもなんとか日々、前向きに、元気に、明るく、生きていこうではないかと思っている。

 

「分際」なんて、認めたくないのである。

 

ところで、この本、書き下ろしかと思ったら、著者の過去の著作から、表題にふさわしい一部分を抽出し並べたもの。

本来ならば前後に文章があり、その流れの中で語られるべきものなのに、抽出された一節のみを読んでみると、違和感や反発を感じざろうえない。

 

でも「人間の分際」というタイトルは秀逸、

というか騙されたぁ!

 

幻冬社新書のこの本、2015年7月30日に第1刷を発行し、8月15日の時点で、すでに5刷。

この活字離れの時代に、凄い!!

 

さすが、幻冬社は商売上手ですね。

(二宮つゆか)

 

 

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8 Comments

  1. nobuko

    う~ん・・ つゆかさん、買ったんですねえこの本。

    私は本屋さんで見かけて、曽野綾子姫様に
    「身の分際をわきまえてお生きなさいませね」
    と諭される本かと思ったら トホホで買えませんでした。

    >でも「人間の分際」というタイトルは秀逸、

    本当ですねえ。

    「差別でなく区別」とおっしゃた方にこの表題の本。
    チリッと来て買っちゃうかたもいるでしょうとも。

    半月で5刷かあ 凄いな~

  2. tuyuka

    nobukoさん。
    買っちゃたんですよ〜。売れてるらしい〜っていう評判を聞いて、読んどかなくちゃって思ってしまったんですね。
    本屋さんで本を見るときは、中をパラパラ読むけど、AMAZONで本を取り寄せるときって、タイトルだけで買っちゃうので、失敗もありますね。
    それにしても、抜粋集だとは思いませんでした。トホホです。
    まだ話題のうちに、ブックオフに持って行こう〜。
    それもと図書館に寄付しようかな。
    なんとなく、家に置いておきたくない本です。

  3. けい

    >さすが、幻冬社は商売上手ですね。
    わー ( ̄m ̄* )プロの実感がこもってますね
    見城さんでしたっけ? さすが名編集者(^_^;)

    わたしは本屋さんでパラ見してみよっと

  4. kaoru

    すみません、読んでないけど
    本はまず「タイトルありき」という見本のような本ですね。
    あと、サブタイトルとか帯のコピーとかも重要。
    それにしても抜粋本だったなんてずるい!

  5. TUYUKA

    kaoruさん
    この本は、デンマークの人魚姫やシンガポールのマーライオンと同じ。
    実際に見てみたら、すんごいがっかりという点が。
    でも、私はタイトルとか小見出しを考えるのが、ちょっと苦手なので、見習うべき点はありなのかも。

  6. TUYUKA

    匿名さんも読んだんですか?

    この本は
    意味があるのかと
    思います。

    う〜ン、なかにが感銘をうける人もいるのかもしれませんね。

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