カルチャー

[スマート・エイジング]という生き方

  • 2012/8/12
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若かりし頃バブル時代を経験したワタシは、つい「あの頃はよかったな~」と思ってしまう。
おじさまたちが、惜しげもなく若い子にお金を使い、遅くまで遊んだ後はタクシーで帰宅。
そんなお金、どこから湧いていたんだろう??? 今考えるととても不思議だけど、
タイムマシンに乗って、過去に帰れるものなら帰りたい。そんな思いにとらわれることもシバシバだ。

でも、時は流れ、今やお肌も曲がりきっている。
過去を振り返るばかりでなく、現実を、そしてその先も見つめていかなければならない。
というわけで
年を重ねるのが楽しくなる![スマート・エイジング]という生き方

(扶桑社新書120刊)という本を読んでみた。

著者は東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太先生と同研究所特認教授の村田裕之先生。

アンチエイジングじゃなくて、スマート・エイジングって何?

と思ったのだが、答えは本の中にあった。

アンチエイジングという考え方は、若い頃の自分に戻りたい、年をとりたくない、高齢期を認めたくないという、年をとることをネガティブにとらえたコトバなのだとか。

ニンテンドーDSの「脳トレ」の開発者である川島隆太先生いわく

アンチエイジングを望む人たちの究極の願いは、タイムマシンに乗って、若い頃の自分に戻り、美しさや体力を取り戻すこと。過去の自分にすがるアンチエイジングの考え方は、自分自身のこれまでの人生を否定することになる。そんな後ろ向きの生き方ではなく、もっと前向きな人生のあり方がスマート・エイジング。

年齢を重ねるにつれて物事の見方は深まり、視野が広がることで人生が豊かになっているはず。高齢期を「知的に成熟する人生の発展期」として肯定し、より積極的に生きることが大切だと提唱している。

C.J.WOMANの記事の中にもアンチエイジングというカテゴリーがあるが、これはマズイのだろうか……。ネガティブに考えてのコトバではないが、「年をとりたくない」「いつまでも若々しくいたい」というのは超熟女の切実なる本音。

まだまだ「スマート・エイジング」にシフトするほど、割りきれず未練たっぷりの年代なのだ。

ところで、この本の中で興味深かったのが◆加齢による脳機能低下のサインとは? のくだり。

――私たちは20歳を過ぎると、体力だけでなく脳の働きも徐々に低下することを自覚します。多くの方は。中年期以降、誰かに会ったときに顔は見覚えがあるのに名前が出てこないといった症状から始まり、物や場所の固有名詞がぱっと出てこずに、「あれ」「これ」「それ」「どれ」といった指示代名詞を多用して会話をしてしまうといった、すなわち「物忘れ」が気になるようになります。

 これは記憶の書き込みを司る背外側前頭前野の機能低下の症状です。新しいことをしたり覚えたりするのが苦手になるのは、中年期や高齢期以降に多く見られますが、背外側前頭前野の記憶の取り込み機能の低下のほかに意欲の低下も加わっており、より深刻な状態です。省エネのために家電製品を買い替えようかと思ったけれども、あまりの多機能性に恐れをなして買い替えること自体が億劫になるというのも、実は同じ症状になります。――

なるほど。そうだったのか。

ワタクシ実は携帯電話をガラ系からスマートフォンに変えるとき、今の機能でもう十分だし、変える必要ないか。使い方を覚えるのもめんどうそうだし、と思った。

でも、スマホじゃなきゃ、遅れてる人みたいでカッコ悪いし~、というミエの方がやや勝って、スマホに変更。つまり脳機能低下のサインは出ているが、なんとか踏みとどまっているという状態なのだろう。

でも新しい家電を使うためにトリセツ読んだりするのは、ホント億劫だ。地デジになってテレビを買い替えたときも、録画のやり方がなかなか覚えられなかった。旦那に先に覚えてもらい、旦那から教えてもらった。

仕事で使うボイスレコーダーにいたっては、いまだにICレコーダーを使いこなせず、昔ながらのカセットレコーダーでないと不安でしようがない。これは、仕事の対面上かなりカッコ悪い。よく「懐かしいの使ってますね」とインタビューする相手に言われる。

これってやっぱり加齢のなせることなのですね。

涙もろくなるというのも、背外側前頭前野の感情の抑制機能低下のサインだという。

そういえば、ワタシの母は涙もろく、すぐ泣く女性だった。特に高齢になってからは、何かにつけてすぐメソメソと泣くことが多く、そんな母を見てワタシはイライラ。「泣いたからって、どうにもならないのに」とけっこう冷たい態度をとったような気がする。

しかしそれも、加齢による脳機能の低下のせいだったのだ。知っていれば、もう少し優しく接することができたかもしれない。後悔先に立たずだけど……。

もう一つ興味深かったのは、テレビを見ているときには番組の種類によらず、前頭前野と頭頂連合野の活動に強い抑制がかかるという点。テレビを見る頻度の多い人はアルツハイマーになるリスクが高いことが報告されている。

妻が友だちと一緒にランチやおしゃべり、趣味のサークルに勤しんでいるあいだに、リタイアした夫が何もせずに家でゴロゴロ。テレビ漬けの毎日を送っていると、アルツハイマーへまっしぐらだ。介護生活を避けたいなら、即刻テレビの前から引きはがし、外へ連れ出すなり、新聞や本を読むことをすすめたい。麻雀やトランプなんかもいいらしいから、適度にギャンブルを楽しむのも脳の活性化には効果的だろう。家計が破綻するほどのめり込まれたらかなわないけど。

それから、極端な食事制限は脳の活動を損なうという。とりわけ朝食は大切。

良質なタンパク質を意識して摂ることが、認知機能をよい状態で保つことになる。

ダイエットもほどほどにということか。

日本の高齢者は年をとるに従って食事が簡素になっていく傾向にある。中年期までは十分に節制し生活習慣病を予防したほうがよいが、中年期を過ぎたら美食を楽しむほうが、スマート・エイジングにつながるらしい。

「スマート・エイジング」という生き方

これからの自分のために、と思って手にとった本だったが、高齢になった親のケアについて参考になる情報も多い。

(二宮つゆか)

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