カルチャー

『ちょっと早めの老い支度』

  • 2012/12/21
  • カテゴリー:

 

 

『ちょっと早めの老い支度』岸本洋子著 1400円(オレンジページ刊)

著者の岸本葉子さんは、1961年生まれの51歳。タイトルどおり老い支度をするのにはちょっと早すぎる年齢である。

ただこの年になると、周りもみんな漠然と「老後」を考えるようになる。

老いていく親や親族を見るにつけ「いったいいつまで『普通』の生活ができるのだろうか」

「年をとったら、高い場所の電球の交換にも困るようになるかもしれない」

「そもそも年金だっていくらもらえるのかもわからない」などなど、不安ばかりが頭をもたげる。「孤独死だって他人事じゃない」と。

そんな折にふと本屋で目にした一冊。

 

本書は、ひとり暮らしの著者が「老後が怖くなってきた」と言い、不要なものを減らしたり、健康を考えた自炊を心がけたり、ジムに通ったり。今まで一度も顔を出したことのなかった同窓会に出席して交友を温めたり、はたまた「エンデイングノート」を記入したりと、まだ老後の手前の年齢ながら「老後」を考えて暮らす様子を綴った一冊である。それを読むと、確かにそろそろ10年後、20年後のことを考えて今の暮らしを見直さなければ、と思ってくる。もちろんまだまだ著者自身も迷いの中にいるのだけど。

 

そんな著者とファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんとの対談は、50代の迷いを払拭してくれるもので、なるほどと思うことばかり。

畠中さんによると、「老後の住まいは金次第」ではなく「情報次第」だということ。昔は最初に何千万もの費用がないと入居できないような有料老人ホームが多かったけれど、今は初期費用が少なくてすむ施設も増えているそう。

ただ、施設に入りたいと思ってから探すとなると、資金的に無理をしたり、急いで探して入れるところは人気がない施設になるがち。だから元気なうちに情報収集をして、いろんな施設の見学に行っておくとよい。

また、年金だけでは暮らせないと思い込んでいる人が多いけど、「年金で暮らす。やるしかないと思え」「やっていくように習慣を変えればいい」と。

これも、そうだよね。最初から暮らせないと思うから不安にかられる自分がいるんだと発見。

それをふまえ、

「自分がいつどのようになるかは誰にもわからず、予測不可能のことを考えても仕方がない」

「老後は心配ですが、まず目先の生活を充実させないと、老後だけがよくてもしょうがない」

「買いたいものややりたいことにお金が使えるのも、元気で自分の勤労収入があるうち。今から老後老後と思って、節約ばかり考えてもあまり楽しい気持ちにならないでしょ」と。

 

うーん。なんだかちょっと元気が出てきた。漠然とした不安にかられておびえながら暮らしてもいいことなんて、なんにもない。

 

ここのところ有名人で60歳前に亡くなられる方が多く、それを考えると自分に必ずしも「老後」があるとも限らないし、年金をもらう前に人生が終わってしまうかもしれない。

まだ10年後の60歳の自分さえ、うまく描けない。

持病をかかえて病院通いをしているのか、まだまだ元気いっぱいなのか、それによっても老後は違ってくる。

そう思うと、老後のために節約して我慢をする生活を続け、お金だけを残したら、私だったら死んでも死にきれないかも(笑)。

とにかく、なるようにしかならないのである。情報収集を心がけ、アンテナを張り巡らせながら「今を楽しく生きなさい」「ときめきを大切にしなさい」ということが今の「老い支度」になることを痛感。

じゃあ、今の自分の「ときめき」のために新しいコートを買いに行っちゃおうかな、なんて。

「反省が足りない」って声が聞こえそうではありますが…(笑)。

 

(さかがみともこ)

 

 

ちょっと早めの老い支度 (ORANGE PAGE BOOKS)

新品価格
¥1,470から
(2012/12/21 22:22時点)

 

2 Comments

  1. りーたん

    5年後くらいは、何となく想像つくけど、10年となると、まったくもってわからないですねー。でも、今の時代、明日どうなってるかもわからない。地震や事故にあうかもしれないし。そう思うと、今が一番大切という考えに至りますね!背中を押してもらいました。私も、欲しいモノはガマンしないで買うぞ!食べたいモノ食べるぞ!(いいのか、それで?)

  2. tomoko

    ★りーたんさんへ
    私はこの本を読んで、元気が出ました。
    寿命もそうですが、老後いくら必要かもだれも答えてくれないですもんね。
    食べたいものも今のうちに食べておかないと、食の好みも変わってしまうかも。買いたいものもきっと同じ。
    50代の今しかできないことをやらなくっちゃ、と思っています。
    ホント、10年後って自分の健康もそうですが、どんな世の中になっているのか想像できない。家事ロボットとか介護ロボットとかが普通のうちにいたりして…。そういう変化も楽しめるようになりたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。