カルチャー

「母のせいで結婚できない女たち」

  • 2012/7/26
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夫婦問題に詳しい岡野あつこさんと、クラタマこと倉田真由美さんの共著、「母のせいで結婚できない女たち」(日本文芸社)を読んだ。サブタイトルは、「かくれマザコン女の困った恋愛、危ない結婚」。

 

カウンセラーとして、過去2万件以上の相談実績をもつ岡野さんは、最近、悩みを聞く中で違和感を感じ始めているという。

それは、「マザコン女」が増えつつあるという現実。

 

マザコンというと、男性の特権のように思えるが、 じつは母親離れしていない女性のマザコンが増えているという。娘の会話の中に「ママがね~」という言葉が頻繁に出てきたり、母の意見が絶対だと思っている娘は、マザコン女の兆候あり。

 

友達親子のような母娘はよくいるが、異様に仲が良いと、結婚、離婚にも影響を与えてしまう。娘の晩婚化が進み、結婚してもなお母親にべったり。新婚旅行にも母親が当たり前のように同伴するケースもあるというから驚く。結婚後も、娘は実家に足しげく通い、子どもができたら、ほぼ実家で親と一緒に子育てする。娘にとっても、実の母親がいちばんラクだし、母親も頼られてうれしい、という図式である。

 

言われてみると、ありえそうな光景だ。特に仕事をもつ女性にとって、タダで頼める実家は効率よく、メリットもあるため、そうした状況を生みやすいともいえる。

 

以前は、家と家の結びつきが強かった結婚だったが、今は、好きな人ができたから一緒になるだけ。「配偶者の家族なんて関係ないもん。 子育ても家事も、実家に助けてもらって何が悪いの。別にいいじゃん!」という感じなのかもしれない。

 

娘が家庭の愚痴、夫の悪口を言うと、それをたしなめるはずの母親が、「ダメな男ねー」「そんなら別れちゃいなさい」「離婚して戻っておいで」と離婚を勧めてしまう。

 

そもそも、マザコン娘の母親にとって、婿は最初から敵なのである。どんどん洗脳されていく娘は、離婚街道まっしぐら! 最終的に、彼より母親を選ぶのである。

たちが悪いことに、母親は、娘が離婚して出戻っても大歓迎だ。養育費や慰謝料がゲットできれば、さらに万々歳なのだとか!

 

著書には、「娘が孫を連れて帰ってくることで、それまで冷え切っていた親夫婦の連帯感が強まり、家族が一体化して幸せになるという皮肉な現実も生まれている」とあった。

 

仲良し、幸せは、いいことだから 誰もとがめないし、 むしろ同情の言葉をかけてもらえる。出戻りも堂々とできるという、ひと昔前には考えられない時代になってしまった。

 

夫の立場にしてみたら、「いったい自分の何が悪かったの?」と晴天の霹靂状態だろう。

 

母親に大事に育てられたマザコン女は、おしゃれで見た目も美しい。母親大好きだから、親思いの心優しい女性に見える。男性受けがいいのも特徴だそうだ。

 

なぜマザコン女が増えてしまうのか。

 

マザコン女を作ってしまう要因は、当然ながら母親にある。母親の考え方や生き様によるところが大きく、ひもとくと、母親の心の有りようにたどりつく。母親の寂しさや満たされない思い、たとえば、今まで誰からも褒められなかった。夫との関係の希薄さ。女として、妻として満たされない分、娘を所有化し、人生を注ぎこみ、過剰な愛情、過剰な干渉となってしまうのではないかと分析する。

 

そんな母親の世界観にどっぷりつかっている娘は、母親の言うとおりにしていれば何も問題なかったし、実際、そうする以外に道はなかったのである。

 

著書には「お互いの存在があれば満足。その状態は、二人が ”自分たち以外の者はいらない” といういびつな世界観の中にいることを表している」とあった。娘のことを「ママ教の信奉者」とも。

 

これってまるで夫婦みたい、と思ったら、クラタマも「プチ夫婦」と表現していた。なんだか父親の存在感ゼロですねぇ。

 

母親というのは、生まれてすぐから、子どもの面倒をずっと見てきているので、それが癖になってしまうところがある。なので、ある時期になったら、目はかけても手や口は出さずに、子どもが自立する方向へサポートしなくてはならない。

 

でも、男の子の場合は、「たくましくなってね」という意味でそれができても、女の子の場合は、同性なので、よく理解できる分、「力になってあげたい」「甘えてくれてもかまわない」という気持ちになりやすいのではないか、とクラタマは書いている。

私には息子と娘がいるので、この感覚の違いがとてもよくわかる。

 

この問題は相当に根深く、そう簡単には解決できそうにないが、もし、自覚症状のある母親がいたら、今からでも遅くない。親離れ、子離れするためにも、あえて距離を置き、二人だけの世界観から脱却すべきだろう。

 

娘に好きな男性が表れたときこそ、子離れのチャンス。娘の彼氏のことをやたら聞きたがらない。干渉しすぎないことだ。そして、母親は娘以外の世界をもって、お互いに自立する。それしか解決策はないのだから。(そこまでしたくない、という母娘もいるようですが…)

 

この「マザコン女」の話を、娘を持つ友人に話すと、(あっ、うち危ないかも)と感じるらしく、みな顔をうな垂れ、同じリアクションをとるのが面白い。

どの家庭においても、母と娘の密着度は高いようだ。これって、日本は特に強い傾向なのかもね。

 

何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。母子家庭の私は、なおさら気をつけなくては、と心底思った本である。

(渡辺里佳)

 

 

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